上水道の逆流事故
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 19:15 UTC 版)
1933年、米国のシカゴ万博会場のホテルで浴槽と便器の水が給水管内に逆流し、1,409名がアメーバ赤痢に罹患し、98名が死亡した 。1948年に日本でも逆流事故によって腸チフス患者が550名発生し、3名が死亡した。これらの事故をはじめ多くの水道による事故の経験から、日本では「水道法」と「建築基準法」が、水槽、プール、流しその他水を入れ、又は受ける器具、施設等に給水する給水装置にあつては逆流を防止するための適当な措置を講じることを求めている。逆流を防止するためには、水道蛇口を浴槽や台所シンク等の容器の縁より十分上方に離して設置して「エアギャップ」を確保することが有効である。これは、エアギャップによって、水道管内の圧力が断水などによって負圧となった時に管内に汚水が取り込まれる「逆サイフォン現象」を防ぐことが出来るからである。集合住宅などでシャワーヘッドを湯水の入った浴槽内に漬けていると、万が一、断水などで管内が負圧になり、この時シャワーのコックを開けると、逆サイフォン現象によって不衛生な水が上水道管内に取り込まれてしまうので注意が必要である。
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