ヴィジュネル暗号の弱点と暗号史に与えた影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 06:06 UTC 版)
「ヴィジュネル暗号」の記事における「ヴィジュネル暗号の弱点と暗号史に与えた影響」の解説
ヴィジュネル暗号も含み、それ以前の暗号すべてに言えることであるが、これには、鍵に周期性があるということだ。たとえば、鍵「arm」は、4文字目の鍵もaになるし、7文字目もaになる。これが、解読者にとって唯一の手がかりだった。鍵の周期性の問題性に気付かなかったのは、よりアルゴリズム(暗号化の方法)を複雑にすることによって安全にしようとしていたからで、誰も「鍵」の重要性に気付いていなかったのである。では、鍵長を平文と同じにしたら、完全か。確かに、周期性の問題は解決する。しかし、上記のように周期が起こらない鍵であっても、推理することによって解決する場合がある。 そのため、この問題を乱数を利用することで打開しようとしたのだ。また、その数も多くすれば一つの周期も長くなるため、鍵の長さは膨張の一途をたどっていくようになる。また、後に、人力では限界が見えてきた時代に「暗号を行う機械」も出てくるが、これも、周期の長さ、鍵が乱数であることが、大きな目標とされた。 現在の暗号においても、鍵が乱数であるかは、最も重要とされ、アルゴリズムが公開されているからこそ、偏った数を鍵に使用すると、すぐに解読されてしまう。また、鍵の長さも、安全性をはかるものさしとなっている。
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