ヴィジュネル暗号の弱点の改良と現代暗号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 06:06 UTC 版)
「ヴィジュネル暗号」の記事における「ヴィジュネル暗号の弱点の改良と現代暗号」の解説
ヴィジュネル暗号の弱点は鍵の周期性だけではなく、表にきわめて強い対称性(線形性)があることである。これは解読の大きな手がかりとなる。そこで考えられたのはヴィジュネル表の対称性をなくすために、表の中の文字をランダムに配置することであった(各行と列に26文字が1文字ずつあるという対称性は残る)。これによってカシスキーテストの有効性が著しく減少し、紙とペンだけではほとんど解読できなくなる。もっとも、表の作成と解読に時間がかかるためと、ヴィジュネル暗号が解読できないと思われていたためあまり利用されなかったと言われる。このランダムに配置するという考え方は現代暗号でも線形解読法、差分解読法に対して耐性を持たせるためのSボックスの実装として利用されている。(ランダムに配置した表の実物は長田順行『暗号』165頁にある。ヴィジュネル自身が1586年に発表したが「ヴィジュネル表」とは呼ばれていない。)(ランダムに配置するときわめて解読しにくくなるが、確率論的にきわめて脆弱な表ができることがあるので、脆弱性を検定する必要がある。)。
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