ワニ目の出現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 03:58 UTC 版)
前期白亜紀に出現した正鰐類から、後期白亜紀のうちにワニ目が出現した。ワニ目の起源がどこにあったかについては、ローラシア大陸起源説とゴンドワナ大陸起源説がある。 ローレンシア大陸起源説の根拠としては、ワニ目の3大系統群であるインドガビアル上科・アリゲーター上科・クロコダイル上科が全てローラシア大陸から発見されていて、後期白亜紀のカンパニアン期において存在が確認されていることが挙げられる。また、正鰐類のアロダポスクス(英語版)とハイラエオチャンプサ、正鰐類ではないものの近縁なゴニオフォリス科がローラシア大陸か産出していることも、この仮説を後押ししている。一方でゴンドワナ大陸からもイシスフォルディアの他にアエジプトスクス(英語版)(エジプト)やドリコチャンプサ(英語版)(アルゼンチン)が発見されており、別系統のワニ形上目であるノトスクス類(英語版)と共存していたと考えられている。こうした化石証拠がゴンドワナ大陸起源説の根拠とされる。 なお、後期白亜紀の前半(セノマニアン - サントニアン期)と後半(カンパニアン - マーストリヒチアン期)でワニ形上目におけるワニ目の属種数の比率を調査した研究がある。この研究ではアジア・南米・アフリカでの比率が白亜紀全体を通して15%未満であった一方、北米・ヨーロッパでは6%から50%超へ増大している、という結果が得られている。小林快次は、ワニ目の多様化が起きていたローラシア大陸(特に北米・ヨーロッパ)が起源である可能性が高いと考察している。
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