レセパセおよび緊急パスポート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 09:29 UTC 版)
「渡航文書」の記事における「レセパセおよび緊急パスポート」の解説
レセパセ(laissez-passer)は、政府や、国際連合、欧州連合、国際赤十字委員会(ICRC)など、一部の国際機関が発給する渡航文書。レセパセは、しばしば人道的理由の存在する場合に限り、発給国からの片道渡航のため発給される。一部の国家は、自国民に対し、緊急パスポートとしてレセパセを発給する。また一部の国家は、無国籍者、自国政府からパスポートの発給を受けることができない者、自国政府が発給国から承認されていない者に対し、レセパセを発給する。 歴史的には、レセパセは戦時と平時を通じて発給されており、多様な公務員、外交官、その他の国家を代表する者や、第三国の国民に対し、文字通り(レセパセには「通過を許す」という意味がある)、特定の地域への渡航の許可状や交戦地域・交戦国から外に出ることの許可状として機能していた。この文脈では、レセパセは渡航の自由に関して、相当特定的かつ限定的なものであった。状況に応じて、様式や発給官署は基準通りであることもあれば、そうでないこともあった。 その一例として、1950年代初頭に、イラク政府が同国居住のユダヤ人住民12万人に対し、国籍および全ての資産の放棄を条件として、イラクから出国の許可を与えた例がある(エズラ・ネヘミヤ作戦(英語版))。この際、国籍を放棄しているため、イラクのパスポートを発給することができないので、レセパセが発給された。
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