リビングストン_(グアテマラ)とは? わかりやすく解説

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リビングストン (グアテマラ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/20 15:35 UTC 版)

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リビングストン
Lívingston

リビングストンの通り
位置
リビングストン
リビングストン (グアテマラ)
座標 : 北緯15度49分30秒 西経88度45分0秒 / 北緯15.82500度 西経88.75000度 / 15.82500; -88.75000
行政
グアテマラ
  イサバル県
 市 リビングストン
人口
人口 2002年現在)
  市域 48,588[1]
その他
等時帯 中部標準時 (UTC-6)

リビングストン(Lívingston)は、グアテマライサバル県の都市。ホンジュラス湾の中にあるアマティケ湾英語版に臨む。ガリフナ(ガリナグ)文化で知られ、グアテマラの他の地域と大きく異なる。

概要

聖イシドロの日のパレード

リビングストンはアマティケ湾に流れこむドゥルセ川の河口に位置する。

リビングストンの人口構成はグアテマラの他の地域と大きく異なり、ガリフナ、インド人ケクチ族、およびラディーノの文化が共存する。ガリフナは特にプンタと呼ばれる音楽と踊りで知られ、また仮面をつけたヤンクヌという新年の踊りでも知られる[2]

グアテマラには5000人ほどのガリフナが住み、マヤ諸民族シンカ族とともに先住民として認められている。その大部分はリビングストンおよびプエルト・バリオスに住む[3]

ガリフナは基本的にカトリック信者であり、1892年以来聖イシドロ英語版守護聖人として祝う[4]。これとベリーズガリフナ入植記念日に影響されたリビングストンへのガリフナの定住の祝いが結びついて、ガリフナの日(Día del Garífuna)、ガリフナ語でユルメインと呼ばれる記念日になった。1980年代なかばよりガリフナの日はリビングストンが公式に建設された11月26日に行われるようになり、1996年には政府によって公式にこの日がガリフナの日とされた[5]

交通

リビングストンから他の場所へ行くための陸路は存在せず、交通は船による。県都のプエルト・バリオスおよびベリーズプンタ・ゴルタとの間に定期船が運航している。ほかに、ドゥルセ川を遡ってイサバル湖近くのフロンテラスに出たり、ベリーズのプラセンシアやホンジュラスラ・セイバに行くこともできる[6]

歴史

この一帯には古くはマヤ系のチョル族が住んでいたらしいが、17世紀までにスペイン人によって他の土地に移動させられた。ドゥルセ川とイサバル湖は重要な交易路にあたり、イギリスオランダフランスなどの海賊が出没した[7]

1802年にロアタン島のガリフナがハイチのマルコス・サンチェス・ディアスに連れられて現在のリビングストンにやってきた。彼らは町をラ・ブガ(「口」を意味するガリフナ語)と呼んだ。グアテマラがスペインから独立した後の1831年、リヴィングストン法典で有名なアメリカ合衆国エドワード・リヴィングストンにちなんでリビングストンと命名され、イサバル県の県都になった(リヴィングストン法典は1836年にグアテマラで採用された)。19世紀のリビングストンは主要な貿易港であり、1880年代に関税が免除されると、アメリカ合衆国ユナイテッド・フルーツ社が水路でバナナを運び、またドイツのフェロパスコ社がアルタ・ベラパス県コバンからポロチク川までのベラパス鉄道を開き、ドゥルセ川を往来する蒸気船を運航して、コーヒーカカオ・木材を運んだ。しかし首都グアテマラシティからプエルト・バリオスへの鉄道が建設されると、貿易の中心はそちらに移り、1920年に県都もプエルト・バリオスに移った[8]

ケクチ族はアルタ・ベラパス県から、主にコーヒーを積み込むための労働者として20世紀なかごろにリビングストンに移住してきた[9]

脚注

  1. ^ Censos Nacionales XI de Población y VI de Habitación 2002. Instituto Nacional de Estadística Guatemala. (2003). p. 73. https://www.ine.gob.gt/sistema/uploads/2014/02/20/jZqeGe1H9WdUDngYXkWt3GIhUUQCukcg.pdf. 
  2. ^ Argueta (2015) pp.244-245
  3. ^ Agudelo (2012) p.84
  4. ^ Agudelo (2012) p.85
  5. ^ Agudelo (2012) pp.85-86
  6. ^ Argueta (2015) p.248
  7. ^ Kahn (2006) p.16
  8. ^ Kahn (2006) pp.17-18,200
  9. ^ Kahn (2006) pp.45-46

参考文献

  • Hilary E. Kahn (2006). Seeing and Being Seen: The Q'eqchi' Maya of Livingston, Guatemala and Beyond. University of Texas Press. ISBN 0292713487. 
  • Carlos Agudelo (2012). “The Afro-Guatemalan Political Mobilization: Between Identity Construction Processes, Global Influences, and Institutionalization”. In Jean Muteba Rahier. Black Social Movements in Latin America: From Monocultural Mestizaje to Multiculturalism. Springer. pp. 75-91. ISBN 1137031433. 
  • Al Argueta (2015) [2001]. Moon Guatemala (5th ed.). Avalon Travel. ISBN 9781631211317. 

座標: 北緯15度49分30秒 西経88度45分0秒 / 北緯15.82500度 西経88.75000度 / 15.82500; -88.75000


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