リガンドの認識機構
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/04 05:37 UTC 版)
TLR4はもともとリポ多糖(LPS)を認識する受容体としてその機能が同定されたものである。血中のリポ多糖はまず、肝臓で作られるリポ多糖結合タンパク質(LPS binding protein: LBP)と結合した後、細胞膜上のCD14に運ばれる。そしてCD14からTLR4とMD2の複合体に受け渡される時にTLR4が二量体となり細胞内にシグナルが伝わる。このシグナル経路ではまず、TLR4の細胞内側にあるTIRドメインにアダプター分子であるMyD88が結合する。MyD88はデスドメインを介してIRAKに結合してこれを活性化し、TRAF6をリン酸化する。このTRAF6がMAPKKK(MAPキナーゼキナーゼキナーゼ)であるTAK1を活性化するので、MAPキナーゼ経路の活性化やNF-κBの活性化を導く。あるいは、TLR4は同じくTIRドメインを介してTRIFを活性化しインターフェロンの制御因子であるIRF3を活性化する。このように、NF-κBやIRFといった転写因子を発現することで、活性化したマクロファージなどはIFN-γやTNF-αといったサイトカインを分泌する一方、樹状細胞ではCCR7というケモカイン受容体の発現を強めてケモカインCCL21に対する感受性を高める。ここにケモカインがくるとMHC クラスI・II分子や補助刺激分子B7[要曖昧さ回避](CD80・CD86)の発現が誘導される。
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