ヨセに関する用語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 09:20 UTC 版)
大ヨセ 一般に、10目以上の価値のある大きなヨセの手を指す。例えば星の定石からできる形の下図黒1などは、ヨセに入ったら真っ先に打たれるほどの大きな手である。このあと、黒aから符号順にさらにヨセる手がある。逆に白から1の点にオサエられると、gの点に打たれて一子が取られる手が残る。これらを勘案し、だいたい15目程度の価値があると見られる。 小ヨセ 一般に10目以下のヨセを指す。第一線のハネツギなどがこれに相当する。 先手ヨセ・後手ヨセ 一方のヨセに対して相手が手を抜くと、大きく地を荒らされたり石を取られたりする手が残るため、手を抜けないような手段を「先手ヨセ」と称する。さらに次のヨセに手を回すことができるため、価値が高い。一方、ヨセた後に特に大きな手が残らないため、相手が他の着点に回れるようなヨセを「後手ヨセ」と称する。 上図の場合、黒1から3のハネツギに対して白が手を抜くと、黒から4の点に切られて大きく地を荒らされるため、白4の受けが省けない。これは「黒の先手ヨセ」と呼ばれる。一方黒5から7のハネツギは、後に黒からの手段もないため白は他のヨセに先行できる。これは「黒の後手ヨセ」と呼ばれる。 ただし、「先手ヨセ」は絶対のものではなく、例えば上図白4の手で他にもっと大きな着点があれば、白は手を抜いてそちらへ向かうことになる。つまり先手後手というのは、その局面全体を見て判断せねばならない。 両先手 どちらから打っても先手になるようなヨセのこと。例えば下図では、どちらからもコスミからハネツギが先手で利く。両先手の場所は、ヨセに入ったら真っ先に打つべき場所となる。 片先手 一方だけが先手となり、もう一方からは後手となるような場所のこと。一般に、先手の側が打つことになる。下図、黒1に対して受けなければ2の点に打たれて全滅なので、ここは黒が先手となる。一方、白から1の点に打つのは1目のヨセだが後手。「黒1は黒の権利」などと表現される。 両後手 どちらからも後手となるヨセ。下図の場合、白からのa、b、cと黒からのc、d、aはどちらも後手である。 逆ヨセ 片先手である場所を、後手の側から打つこと。先手ヨセを防ぐため、両後手の場所の2倍の価値があると計算される。たとえば下図の形は左図のように白1から6までが白の権利だが、黒は右図の1に打てばこの先手ヨセを封じることができ、大きな逆ヨセとなる。
※この「ヨセに関する用語」の解説は、「ヨセ」の解説の一部です。
「ヨセに関する用語」を含む「ヨセ」の記事については、「ヨセ」の概要を参照ください。
- ヨセに関する用語のページへのリンク