ユースフの物語
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「ユースフ (クルアーン)」の記事における「ユースフの物語」の解説
『ユースフ』で語られる物語は預言者ユースフ(ヨセフ)に関するものである。ユースフは夢解釈の才能があるヤアクーブ(ヤコブ)の息子である。ある日ユースフが夢を見てその夢を父に話したところ、父はユースフが預言者となることにすぐさま気付いた。父は息子に危害を避けるため夢のことを兄たちに言わないように言った。しかし、ヤアクーブがユースフを特に可愛がっていたためにユースフの兄たちは嫉妬を抱いていた。父がユースフではなく自分たちを愛するようになるために、彼らはユースフを駆逐することを望んだ。彼らの最初の計画はユースフを殺してしまうことだったが、後に井戸に投げ落としてしまうことにした。彼らは父には狼がユースフを殺してしまったと嘘をついた。その後、隊商がユースフを井戸から助け出したが、彼らはユースフをエジプト人に売ってしまった。そのエジプト人はユースフを引き取って自分の息子にしようとした。その後、そのエジプト人の妻はユースフを誘惑しようとしたが彼は抵抗した。抵抗に遭った妻はユースフが自分を害そうとしたと訴え、ユースフが厳しく罰されるか牢屋送りになることを要求した。その結果ユースフは牢屋に送られた。 牢屋の中でユースフは二人の男と出会い、囚人の見た夢を解釈した。その後その囚人は釈放されるが、ユースフはその囚人に自分の夢解釈の才能を王に売り込むように頼んだ。ある日王が夢を見ると、釈放された囚人がユースフについて述べた。その結果ユースフは王の夢を解釈することになったが、それはエジプトが七年間の干ばつに見舞われることを暗示するものであった。王はユースフに褒美を与えるために彼を釈放するように命じ、彼の罪状について調べもした。ユースフを誘惑したエジプト人の妻は彼が無実だと証言し、事実が明かされた。ユースフはエジプトで権威を得た。 七年間の干ばつの間に、ユースフの兄たちが一族の食料のためにエジプトを訪れた。ユースフは彼らを見てすぐに自分の兄たちだと気付いたが兄たちは彼がユースフだと気付かなかった。今や高位に就いているユースフは彼らがやってきた次の年に彼らの末の弟(ベニヤミン)を連れてくるように命じた。兄たちが彼らの末の弟を連れてくると、ユースフは兄たちを差し置いてベニヤミンだけに素性を明かした。そしてユースフは一計を案じてベニヤミンに盗難の濡れ衣を着せて家族から引き離し、彼を自分の手元に置いた。その後、兄たちや父ヤアクーブが貧困に陥ってユースフのもとに来ると、そこでユースフは彼らを助けるとともに素性を明かして「自分と一緒に暮らそう」と言った。
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