モデルの西洋館について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 05:18 UTC 版)
〈鏡子の家〉は、三島の幼馴染の友人・湯浅あつ子(技師の湯浅峻の元妻で、その後ロイ・ジェームスと再婚)の家をモデルにしている。湯浅あつ子の父親・板谷幸吉は、戦前に満州で煙草会社6社の企業合同に手腕を発揮した人物である。湯浅あつ子の家には、様々な俳優・女優、脚本家らが和気あいあいとサロンのように集まっていたという。猪瀬直樹はこの湯浅の邸宅について、「小説はサロンの所在が信濃町となっているが、実際は品川区である」としている。 一方、小説の描写にでてくる〈鏡子の家〉は、信濃町に実在した1910年(明治43年)ごろ築の西洋館、デ・ラランデ旧邸であったという説がある。作品中にも「車は四谷東信濃町にある鏡子の家へ行くのである」と地名が明記され、長谷川実の教示を受けた藤森照信も実際に現地を見分して小説の描写そのままであることを確認し、三島がその家をモデルにしたと推測している。この建物は2013年(平成25年)に江戸東京たてもの園へ移築復元され、「デ・ラランデ邸」の名で公開されている。
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