メナンドロス1世の硬貨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 06:13 UTC 版)
「メナンドロス1世」の記事における「メナンドロス1世の硬貨」の解説
メナンドロス1世が鋳造した硬貨は種類・量ともに多く、他のインドのギリシャ人君主が発行した硬貨よりも広範な地域で流通していた。22種類、金・銀・銅の3種の硬貨を鋳造・流通させ、硬貨には若年期から老年期までのメナンドロスの肖像画が刻まれている。メナンドロスの硬貨には仏教のシンボルとも言える法輪が刻まれているが、インドでは仏教以外の宗教が法輪を用いた例もあり、硬貨の法輪のみを根拠としてメナンドロスが仏教を信仰していたと断言する事は難しい。東はマトズラー、西はカーブル、南はグジャラート、北はカシミールに至る地域でメナンドロスの硬貨が発見され、南ウェールズの都市の遺跡からはローマで鋳造された硬貨とともにメナンドロスの硬貨が発見された。メナンドロスの死後も彼の硬貨は長く使用され、彼が没してから200年後にグジャラート地方のバリュガザで硬貨が通用していた報告が『エリュトゥラー海案内記』に残されている。 パキスタンのバジャウルでは、メナンドロスの時代に鋳造された貨幣とともに、彼の名前が入れられた舎利容器が出土した。発見された舎利容器をメナンドロスの仏教信仰の証明と主張する意見があるが、一方でメナンドロス自身が仏教を信奉していたのではなく舎利容器がメナンドロスの治世に奉納されたことを示すに過ぎないとする見解もある。
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