ムーサへの祈り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 15:00 UTC 版)
ホメーロスの叙事詩には、朗誦の開始において「ムーサへの祈り」の句が入っている。これは話を始める契機としての重要な宣言であり、自然なかたちで詩のなかに織り込まれている。『オデュッセイア』では、最初の行は次のようになっている。 「 Ἄνδρα μοι ἔννεπε, Μοῦσα, πολύτροπον, ὃς μάλα πολλὰ 」 原文の語順どおりに訳すと、次のようになる。 「 あの男のことを わたしに 語ってください ムーサよ 数多くの苦難を経験した「あの男」を…… 」 「あの男」とは、オデュッセウスのことを指す。オデュッセウスが経験した数々の苦難の旅の物語を、わたしの舌を通じて語ってください、とムーサに祈るのである。つまりは、ムーサが朗詠者に宿り、語り部は実はムーサであるということになる。
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ムーサへの祈り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 06:05 UTC 版)
ホメーロスの叙事詩は朗誦の開始において、「ムーサ(詩神)への祈り」の句が入っている。それは、話を始める契機としての重要な宣言と共に、自然な形で詩のなかに織り込まれている。『イーリアス』では、最初の行は次のようになっている。 μῆνιν ἄειδε θεὰ Πηληϊάδεω Ἀχιλῆος (ラテン文字転写:Menin aeide, thea, Pele-iadeo Achileos) 言葉の順番に意味を書くと、次のようになる。 怒りを 歌ってください 女神(ムーサ)よ ペーレウスの息子であるアキレウスの(怒りを)…… ホメーロスの劇的構成というのは、この最初の一行より始まっており、なぜアキレウスが怒っているのかという聴衆の興味を引きつけた後、できごとの次第を息も継がせぬ緊迫感で展開する。
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