ミゾラムとは? わかりやすく解説

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ミゾラム【Mizoram】

読み方:みぞらむ

インド東部にある州。西をバングラデシュに東をミャンマー接する。もとはビルマアラウンパヤ朝)領だったが英国支配インド帝国併合される少数民族多く英国によってもたらされキリスト教信仰している。州都アイザウル

ミゾラムの画像
ミゾラム州の位置

ミゾラム州

(ミゾラム から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/16 03:24 UTC 版)

ミゾラム州
Mizoram
मिज़ोरम

(インド国内の位置)
基礎情報
 インド
行政区 ミゾラム州
州都 アイゾール(Aizawl)
面積 21,081 km²
人口 (2011年)
 - 合計 1,091,014 人
 - 人口密度 42 人/km2
時間帯 インド標準時(IST)UTC+5:30
公用語 ミゾ語英語ヒンディー語
創立 1987年2月20日
知事 V・K・シン英語版 (V. K. Singh)
首相 ラルドゥホマ英語版 (Lalduhoma)
立法機関(議席数) 一院制(40)
略称ISO IN-MZ
州公式ウェブサイト http://mizoram.gov.in

ミゾラム州(ミゾラムしゅう、Mizoram)は、インド北東部の内陸にある州。州都および最大都市はアイゾール

西でバングラデシュと、東と南でミャンマーと、北でアッサム州マニプル州トリプラ州と隣接する[1]。面積は21,087平方キロメートルで[2]、そのうち森林が91パーセントを占める。この割合はインドの州で最も高い[3]。人口は125万人(2023年推計)で、インドの州で2番目に少ない[4]。都市化率は51.5パーセントで、北東諸州で最も高く、インド全土でも5番目に高い[5]。公用語としてふたつの言語が指定されているが、最も広く使用されているのはミゾ語で、チベット・ビルマ語派インド語群の諸語の話者のあいだで事実上の共通語となっている。また、ミゾ族をはじめとする指定部族の人口に占める割合が全土で最も高い。

歴史

紀元前600年ごろには萌芽期の文明が存在したことが、ヴァングッチア地域で発見された重要な考古学上の証拠から判明している[6][7]。その後、今日のミャンマーのチン丘陵から、チベット・ビルマ語派の人々が段階的に到来した[8]。こうした集団は族長のもとに組織され、ジュムと呼ばれる循環式農業を行った。そうした各氏族は18世紀までにミゾ族のアイデンティティのもとにまとまり、この地域の支配的な民族集団となった[9]。19世紀なかばには、この地方の領有権を主張するイギリスが一連の軍事遠征団を派遣した。1895年、ミゾラムはイギリス領となり、アッサム州に編入された[10][11]。イギリス統治時代に行われた行政改革やキリスト教の布教は、ミゾ社会に大きな影響を与えた[12]

1947年のインド独立後も、ルシャイ・ヒルズ地区として依然アッサム州の一部であったが、飢饉に対する州政府の対応が怠慢なことなどから、1960年代にミゾ国民戦線率いる蜂起が発生、1986年のミゾラム和平協定調印まで続いた[13]。1987年2月20日、インドで23番目の州となった[14]

地方行政区分

主要都市

経済

州経済はもっぱら農業が中心で、ジュムとして知られる焼畑農業が行われるが[15]、近年は園芸や竹製品の生産に産業が移行してきている[16][17]。2012年の州内総生産は、推計699.1億インド・ルピー(8.2億米ドル)であった[2]。州民の20パーセントが貧困層以下の生活水準にあり、特に農村部では35パーセントに達する(2014年現在)[18]。州内には871キロメートルの国道網があり、54号線がアッサム州に、150号線がマニプル州にそれぞれ至っている。ミャンマーやバングラデシュとの貿易の要衝としても成長している[19]

住民

キリスト教徒が人口の過半数を占めるインドで3つの州のひとつで、州人口の87パーセントがキリスト教を信仰している。内訳はプロテスタントが主流で、特に長老派教会バプテスト教会が多い。以下、仏教(8.51パーセント)、ヒンドゥー教(2.75パーセント)、イスラーム(1.35パーセント)と続く[20]。民族的にはミゾ族ないしゾ族が83.4パーセントを占め、ほかチャクマ族(8.5パーセント)やトリプリ族(3パーセント)などが存在する。ミャンマー内戦の長期化によって、チン族を中心とするミャンマーからの避難民の流入が続いており、その数は7万人から10万人と推定されている[21]

人口動態

詳細は表中の数値を参照。

国勢調査 人口
1951年 196,000人 -
1961年 266,000人 35.7%
1971年 332,000人 24.8%
1981年 494,000人 48.8%
1991年 690,000人 39.7%
2001年 889,000人 28.8%

出典:Census of India[22]

出典

  1. ^ About Mizoram”. Directorate Of Information & Public Relations, Government of Mizoram. 20 June 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。30 October 2023閲覧。
  2. ^ a b Economic Survey, Mizoram 2012-13 Archived 28 April 2015 at the Wayback Machine. Planning & Programme Implementation, Department Government of Mizoram (2013)
  3. ^ 9.19 Mizoram Archived 26 November 2013 at the Wayback Machine. India State of Forest Report 2011, Govt of India (2012)
  4. ^ Indian states 2023 population estimates” (英語). www.main.mohfw.gov.in (1 December 2023). 29 March 2024閲覧。
  5. ^ India Map and Urbanization Rates” (2011年). 2025年2月16日閲覧。
  6. ^ The Discovery of Vangchhia” (3 April 2016). 2025年2月16日閲覧。
  7. ^ City of the dead and the lost civilization of Vangchhia - an unexplored heritage site in Mizoram”. 2025年2月16日閲覧。
  8. ^ J.M. Lloyd, History of the Church in Mizoram: Harvest in the Hills (Aizawl: Synod publication Board, 1991, 2), OCLC 29798339.
  9. ^ Lalthangliana, B. (2009). Mizo Chanchin (Reprinted). Aizawl, Electric Veng: Gilzom Offset.
  10. ^ Pau, Pum Khan (2007). “Administrative Rivalries on a Frontier: problem of the Chin-Lushai Hills”. Indian Historical Review 34 (187): 187–209. doi:10.1177/037698360703400108. https://www.academia.edu/download/31992380/Administrative_Rivalries_on_a_Frontier.pdf 30 September 2024閲覧。. 
  11. ^ Vanlalhmangaihsanga, R. (June 2020). “Political History of Lushai Hills since the Pre-Colonial Era”. mzuhssjournal.in. 25 January 2025閲覧。
  12. ^ Angom, Rebecca (31 January 2020). “Christianization and its Impact on Mizo Culture” (英語). Journal of Humanities and Social Sciences Studies 2 (1): 55–61. ISSN 2663-7197. https://al-kindipublisher.com/index.php/jhsss/article/view/232. 
  13. ^ Playing the Piper” (27 November 2013). 2025年2月16日閲覧。
  14. ^ Memorandum of Settlement (Mizoram Accord)”. peacemaker.un.org (30 June 1986). 9 July 2024時点のオリジナルよりアーカイブ。25 January 2025閲覧。
  15. ^ State Agriculture Plan Archived 16 July 2014 at the Wayback Machine. Agriculture Department, Government of Mizoram (2013)
  16. ^ Agriculture Statistical Abstract 2012-2013 Archived 8 August 2014 at the Wayback Machine. Directorate of Agriculture, Government of Mizoram (2013)
  17. ^ Mizoram Economy Archived 3 March 2016 at the Wayback Machine. IBEF, New Delhi (2010)
  18. ^ See 2012 data in 3rd set of Table 162, Number and Percentage of Population Below Poverty Line”. Reserve Bank of India, Government of India (2013年). 7 April 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。20 April 2014閲覧。
  19. ^ Mizoram Snapshot Archived 2 July 2014 at the Wayback Machine. IBEF India
  20. ^ “Mizoram”, Population by religious communities, IN: Census, (2001), オリジナルの1 July 2010時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20100701214405/http://www.censusindia.gov.in/Census_Data_2001/Census_data_finder/C_Series/Population_by_religious_communities.htm 11 October 2013閲覧。 .
  21. ^ Census Planned Chins Mizoram State” (2021年). 2025年2月16日閲覧。
  22. ^ Census Population” (PDF). Census of India. Ministry of Finance India. 18 December 2008閲覧。

関連項目

外部リンク


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