ミシャグジと大祝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 17:13 UTC 版)
上社の大祝は神長が執り行う就任儀式(即位式)を受けていた。この際に、大祝となるべく選ばれた者(この職に若い男の子に当てる例が多い)は柊またはカエデの木のある鶏冠社(前宮境内にある上社摂社)の石の上に立ち、大祝の装束を着せられる。この儀式を受けることによって少年が諏訪明神の「御正体」(神体)となるとされた。実際には諏訪明神が8歳の男児に自分の衣を着せつけた後に「我に体なし、祝(ほうり)を以て体とす」という神勅を告げて祭神の身代わりとしたという伝承があり、それが神氏と大祝職の始まりとされている。 大祝に依り憑く神は実体のない霊的な存在とされることから、この神は建御名方神ではなくミシャグジであるとする見解がある。この説では大祝はいわばミシャグジの憑巫(よりまし)である。この説を唱えた田中基は「外来魂・ミサグジに装塡したがゆえに大祝になった童児は、生き神様・現人神と考えられた」と述べ、春に行われる御頭祭で大祝の代理を務める6人の神使(おこう)にはミシャグジが付けられることを指摘し、「神使は構造上どう見ても仮の大祝であり、神使が御左口神であるならば、大祝は大御左口神であってタケミナカタではない」と論じた。なお、近年では意見を変えている様子である。
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