マーチ・721とは? わかりやすく解説

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マーチ・721

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/11/07 08:20 UTC 版)

マーチ・721
カテゴリー F1
コンストラクター マーチ
デザイナー ロビン・ハード
ジェフ・フェリス
先代 マーチ・711
後継 マーチ・731
主要諸元
シャシー アルミニウムモノコック
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン, ショックアブソーバー
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン, ショックアブソーバー
エンジン フォード-コスワース DFV 3.0 V8
トランスミッション ヒューランド FGA400,
アルファロメオ 33/3, 5速 + 反転1速 MT,
燃料 モチュール
シェル
STP
Fina
サソル
タイヤ グッドイヤー
主要成績
ドライバー ロニー・ピーターソン
ニキ・ラウダ
アンリ・ペスカロロ
マイク・ボイトラー
ジャン=ピエール・ジャリエ
出走時期 1972年-1973年
初戦 1972年アルゼンチングランプリ
出走
回数
優勝
回数
ポール
ポジション
ファステスト
ラップ
16 0 0 0
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マーチ・721 (March 721) は、マーチ・エンジニアリング1972年F1世界選手権用に開発したフォーミュラ1カー

開発

721はマーチ・711の後継であり、堅調な1971年シーズンを引き継いでマーチをトップコンストラクターに飛躍させる期待を受けた。721には三つのバージョンがあり、通常の721、721X、721Gの三種類が開発された。基本バージョンの721には接尾辞が付かず、フランク・ウィリアムズやギュンター・ヘンネリシといったクライアント用に製作された。

721X

一方721Xはファクトリーチーム向けに設計された。モノコックはシンプルな721用であったが、リアサスペンションのスプリングはレバーとスプリングで操作が可能であった。デザイナーのフランク・コステンは車両重量の大部分を車両中央に集中させることにより、より低い慣性モーメントを作り出すことを考えた。この設計は理論的には理解できたが、シャシーとグッドイヤーのタイヤはうまく調和できなかった。フロントタイヤは常に過負荷となり、アンダーステアとオーバーステアが生じた。エンジンはコスワースDFVを搭載し、トランスミッションはアルファロメオ製であった。721Xの操縦性は最悪で、一般的には失敗作と見なされた[1]。72年シーズンのファクトリードライバーであったニキ・ラウダは721Xを「完全な失敗」「死産」「災害」と呼んだ[2]

721Xが失敗作であることが予測され、マーチは1972年シーズンが無駄になるのを回避するため代わりのモデルである721Gを僅か9日間で組み上げた。721G-2はF2マシンのマーチ・722を改修し、F1の規格に適合させたものであった。サスペンションとブレーキはカスタマーバージョンの721から流用し、エンジンはコスワースDFVが搭載された。721Gは1年以内に3台が製作された。ロニー・ピーターソンは721GでドイツGPの3位表彰台に上った。ニキ・ラウダは初のフル参戦だったがポイントを獲得することはできなかった。

F1における全成績

(key) (太字ポールポジション

チーム エンジン タイヤ ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 ポイント 順位
1972年 STP マーチ・レーシングチーム フォード V8 G ARG
RSA
ESP
MON
BEL
FRA
GBR
GER
AUT
ITA
CAN
USA
12 (15) 6
ロニー・ピーターソン 6 5 Ret 11 9 5 7 3 12 9 DSQ 4
ニキ・ラウダ 11 7 Ret 16 12 Ret 9 Ret 10 13 DSQ NC
チーム・ウィリアムズ・モチュール アンリ・ペスカロロ 11 11 Ret NC Ret DNQ 13 14
クラーク=モーダウント=ガスリー・レーシング マイク・ボイトラー DNQ 13 Ret Ret 13 8 Ret 10 NC 13
1973年 STP マーチ・レーシングチーム フォード V8 G ARG
BRA
RSA
ESP
BEL
MON
SWE
FRA
GBR
NED
GER
AUT
ITA
CAN
USA
0 (14) 5
ジャン=ピエール・ジャリエ Ret Ret NC Ret
クラーク=モーダウント=ガスリー・レーシング マイク・ボイトラー Ret Ret NC

参照

  1. ^ David Hodges: Rennwagen von A-Z nach 1945, Stuttgart 1993, ISBN 3-613-01477-7, S. 160: “eine Katastrophe“
  2. ^ Niki Lauda: Protokoll. Meine Jahre mit Ferrari. ORAC, Wien 1977, ISBN 385368-843-8, S. 251.

参考文献

  • David Hodges: Racing A-Z since 1945, Stuttgart 1993, ISBN 3-613-01477-7.
  • Niki Lauda: protocol. My years with Ferrari. ORAC, Vienna 1977, ISBN 385368-843-8.
  • Mike Lawrence: March. The Rise and Fall of a Motor Racing Legend. Motor Racing Publications, Orpington 2001, ISBN 1-899870-54-7.

外部リンク




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