マルタの鷹_(加藤和彦のアルバム)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > マルタの鷹_(加藤和彦のアルバム)の意味・解説 

マルタの鷹 (加藤和彦のアルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/31 06:52 UTC 版)

『マルタの鷹』
加藤和彦スタジオ・アルバム
リリース
録音 1987年
加藤和彦スタジオ(六本木)
東芝EMIスタジオ
フランス大陸軍スタジオ(パリ)
ダム・スタジオ(パリ)
ジャンル ジャズ
AOR
時間
レーベル EASTWORLD
プロデュース 加藤和彦
加藤和彦 アルバム 年表
Le Bar Tango
1985年
マルタの鷹
1987年
ボレロ・カリフォルニア
1991年
テンプレートを表示

マルタの鷹』(MALTESE FALCON)は、1987年12月5日に発売された加藤和彦の10枚目のソロ・アルバム。安井かずみとの共作による作品で、9年ぶりに東芝EMIへ復帰してのリリースとなった。

解説

オーケストラを指揮するカルロ・サヴィーナ
(イタリアにて、1956年撮影)

『マルタの鷹』は、加藤和彦がジャズに取り組み、ハードボイルドをテーマに制作したコンセプト・アルバムである。アルバム・タイトルはダシール・ハメット同名小説から採られた。本作での加藤はヴォーカルのほか、いくつかの楽曲でピアノも弾いており[注釈 1]、セッションには僚友の小原礼高橋幸宏清水靖晃[注釈 2]などに加え、イタリアの作編曲家であるカルロ・サヴィーナを招き[注釈 3]、オーケストラの編曲と指揮[注釈 4]を委ねた。レコーディングは東京とパリで行われ[注釈 5]、ミックス・ダウンはパリで行なわれた。なお、レコーディングに使用されたマイクロフォンとイコライザーヴィンテージの機器が用いられている。後年加藤は『マルタの鷹』を失敗作と見なしており、「ハードボイルドの感じを出そうとしたんだけれども、ジャズと結びつけたのは無理があった」[3]と語っている。

アートワーク

アルバム・カバーと歌詞カードの絵画は金子國義、アーティスト写真は小野寺俊晴によるものである。

収録曲

全曲作詞:安井かずみ、作曲:加藤和彦、編曲:カルロ・サビーナ・清水靖晃・加藤和彦
アナログ・レコードでは#1から#5までがA面に、#6から#10までがB面に収録されている。
楽曲の収録時間はアナログ・レコードに基づく。

  1. ARTICHOKE & FRESCOBALDI - (3:22)
  2. COZY CORNER - (3:05)
  3. FANCY GIRL - (3:36)
  4. CHINA TOWN - (3:32)
  5. DECEMBER SONG - (4:52)
  6. JOKER - (4:21)
  7. BACCARAT ROOM - (3:58)
  8. TURTLE CLUB - (4:22)
  9. JUST A SYMPATHY - (2:25)
  10. MIDNIGHT BLUE - (4:24)
    清水靖晃の多重録音によるインストゥルメンタル

クレジット

  • Produced by Kazuhiko Kato
  • Music by Kazuhiko Kato
  • Lyrics by Kazumi Yasui
  • Arranged by
    • Kazuhiko Kato (#2, #4, #5, #8, #9)
    • Yasuaki Shimizu & The Saxophonettes (#3, #7, #10)
    • Carlo Savina (#1, #6)
  • Cover Painting & Designd by Kuniyoshi Kaneko
  • Engineered by Masayoshi Okawa
  • Recorded at
  • Mixed at
    • Studio Des Dames (Paris)
  • Assistant Engineers (Paris) - Christophe Marais & Claude Pons
  • Co Producer - Seizo Shimokobe
    • Studio De La Grande Armee (Paris)
  • Co Engineers - Seiji Okumura, Hideyuki Kouno & Mick Lanaro
  • Assistant Engineer & Fairlight Operation - Takeshi Tanaka
  • Executive Producers - Keiichi Ishizaka & Ichiro Asatsuma
  • Published by Fuji Pacific Music Publishers
  • Secretary - Yoko Ryu (Kazuhiko Kato Office)
  • Recording Coordinators - Akira Ikuta, Lambert Boudier, Catherine Villiers & Norika Sora
  • Vintage Microphones & Equalizers by Courtesy of Time Road
  • Grazzie - Maestro Carlo Savina & Mirna Savina
  • Special Thanks to Following People - Keiko Kawashima, Yumi Tanno, Fumitaka Norita, Henry Dienn, Sam Ohta, Yamaha Shibuya, Office Intenzo Kayako Kijima, Chizuko Yanagawa, Shinji Kanoo, Tomotaka Takehara, Evelyne Hebey & Yoshio Takatsudo

ミュージシャン

  • Kazuhiko Kato - Vocal, Acoustic Piano, Cornet, Fairlight C.M.I (omit on #10)
  • Yasuaki Shimizu - Saxophone, Clarinet, Acoustic Piano, Fairlight C.M.I (#3, #4, #7, #8, #10)
  • Kenji Omura - Electric Guitar (#4, #5)
  • Ray Ohara - Erectric Bass (#4, #5, #8)
  • Yukihiro Takahashi - Drums (#5, #8)
  • Carlo Savina Orchestra (#1, #6)
  • Yasuaki Shimizu by the Courtesy of Victor Invitation
  • Yukihiro Takahashi by the Courtesy of Tents Record

発売履歴

形態 発売日 レーベル 品番 アートワーク 解説 リマスタリング 初出/再発 備考
LP 1987年12月05日 EASTWORLD RT28-5059 金子國義 なし なし 初出 A式ジャケット
CT 1987年12月05日 EASTWORLD ZT28-5059 金子國義 なし なし 初出 ドルビーHX PRO仕様
CD 1987年12月05日 EASTWORLD CT32-5059 金子國義 なし なし 初出
CD 2009年02月06日 SUPER FUJI DISCS FJSP-44 金子國義 加藤和彦 オノ・セイゲン 再発 紙ジャケット

参考文献

脚注

注釈

  1. ^ 加藤は本作の#2,4,5,8,9でピアノを弾き、#2においてはコルネットも吹いている。
  2. ^ 清水は#3,7,10においてピアノを弾いている。
  3. ^ カルロ・サヴィーナとは1983年に中山ラビのアルバム『甘い薬を口に含んで』をプロデュースした縁で近づきになった[1]
  4. ^ 加藤によれば、ダイナミックかつ繊細なオーケストラのサウンドを得るために、カルロ・サヴィーナのダイナミックな編曲を、パリのオペラ座のオーケストラに演奏させたという[2]
  5. ^ パリでは#1,6の2曲が録音された。

出典

  1. ^ MS 1983.
  2. ^ 加藤 2010, p. 187.
  3. ^ 加藤 & 前田 2013, p. 247.



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「マルタの鷹_(加藤和彦のアルバム)」の関連用語

マルタの鷹_(加藤和彦のアルバム)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



マルタの鷹_(加藤和彦のアルバム)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのマルタの鷹 (加藤和彦のアルバム) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS