マイル・ドゥーン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 05:41 UTC 版)
記述したように『ブランの航海/冒険』と特に共通点がみられる作品が 『マイル・ドゥーンの航海』である。『メルドゥーンの航海』とも表記される 笑いの島のモチーフが共通することは既に触れた。ブランの一行は「喜びの島」 で隊員の一人を斥候に出すが、島民と同じく、笑ってばかりで名を呼んでもぽかんと相手を見つめる状態になってしまい、しかたなく置き去りにして去る。 マイル・ドゥーンの一行もやはり、同じような島に送り出された隊員が仲間を認識できなくなってしまい、島に放棄されるにいたる。 また、糸毬でたぐりよせられるモチーフも共通している。ブラン一行の舟が「女の国」の瀬まできたたとき女王がこの魔法の糸毬で拿捕・牽引してしまう。 マイル・ドゥーンの一行も、十七人の女性が棲む島で歓待を受けるが、去ろうとすると女王がやはり魔法で手にくっつく糸毬を投げつけて捕えようとしたので、詩人のデュラーンは、自らその手を断ち切り脱出を果たした。 ただし、このモチーフは他の作品、例えば『トロイの崩壊』(Togail Troí)の序にみえるアルゴナウタイについての記述にもみつかっている。 結末では、ブランの隊員の一人がコラクル舟から飛び降りて、アイルランドの地を踏もうとめざすが、足が地に着いたとたんに灰と化してしまう。マイル・ドゥーンの場合も、乳兄弟のひとりが首飾りを盗んだために魔性の猫に襲われ灰塵と帰してしまう[要非一次資料]。
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