ポンプ座イオタ星とは? わかりやすく解説

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ポンプ座イオタ星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/24 05:47 UTC 版)

ポンプ座ι星
ι Antliae
星座 ポンプ座
見かけの等級 (mv) 4.596[1]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  10h 56m 43.0509748389s[2]
赤緯 (Dec, δ) −37° 08′ 15.952141940″[2]
視線速度 (Rv) 2.30 km/s[2]
固有運動 (μ) 赤経: 74.303 ± 0.221 ミリ秒/[2]
赤緯: -125.185 ± 0.259 ミリ秒/年[2]
年周視差 (π) 16.1823 ± 0.1882ミリ秒[2]
(誤差1.2%)
距離 202 ± 2 光年[注 1]
(61.8 ± 0.7 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) 0.7[注 2]
ポンプ座ι星の位置(丸印)
軌道要素と性質
惑星の数 2
物理的性質
半径 11 R[3]
質量 1.55 M[4]
表面重力 0.6 G[5][注 3]
スペクトル分類 K1 III[4]
光度 56 L[4]
表面温度 4892 ± 42 K[5]
色指数 (B-V) 1.025[1]
色指数 (U-B) 0.842[1]
色指数 (V-I) 0.990[1]
金属量[Fe/H] -0.03 ± 0.03[5]
年齢 3.32 ×109[4]
他のカタログでの名称
CD-36 6808, FK5 414, HD 94890, HIP 53502, HR 4273, SAO 201927[2]
Template (ノート 解説) ■Project

ポンプ座ι星(ポンプざイオタせい、ι Antliae、ι Ant)は、ポンプ座の恒星である[6]見かけの等級は4.60と、肉眼で観察可能な明るさである[1]年周視差を基に計算した太陽からの距離は、約202光年である[2][注 1]

特徴

ポンプ座ι星は、進化が進んだ橙色巨星で、スペクトル型はK1 IIIと分類される[4]。巨星の中でも、レッドクランプと呼ばれる分枝段階にあるとされ、ではヘリウム燃焼を起こしていると考えられる[7]。ポンプ座ι星は、太陽半径の約11倍、太陽質量の1.55倍程度の規模の恒星であり、 その明るさ太陽光度の56倍、表面温度は4892 Kと見積もられている[3][4][5]。年齢は33億年程度と予想される[4]

中国星座

宋史‧天文志』には、東甌の五星は翼宿の南にあり、蛮夷の星である、との記述があり、翼宿の南に位置するポンプ座とほ座の5つの星が、「東甌」という星官を成していたとされる[8]イアン・リドパスによれば、東甌のうち少なくとも2つの星がポンプ座の恒星で、そのうちの1つがポンプ座ι星と考えられる[6]

惑星系

2025年、ドップラー分光法によってポンプ座ι星(HD 94890)の周囲に2つのスーパージュピターが発見された[9]

ポンプ座イオタ星の惑星[9]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b ≥2.13+0.16
−0.17
 MJ
2.07±0.01 824.61+5.02
−4.80
0.22+0.08
−0.09
c ≥8.91+0.24
−0.25
 MJ
4.33±0.02 2492.19+14.72
−13.94
0.05±0.03

脚注

注釈

  1. ^ a b c パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記
  3. ^ 出典での表記は、 10h 56m 43.0509748389s, −37° 08′ 15.952141940″




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