ベネトン・B194とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 乗り物 > > ベネトンのF1マシン > ベネトン・B194の意味・解説 

ベネトン・B194

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/28 15:36 UTC 版)

ベネトン B194
ミハエル・シューマッハがドライブしたB194
カテゴリー F1
コンストラクター ベネトン
デザイナー ロリー・バーン(チーフデザイナー)
ロス・ブラウン(テクニカルディレクター)
先代 ベネトン・B193B
後継 ベネトン・B195
主要諸元
シャシー カーボンファイバーコンポジット
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド, ツインダンパー
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン, プッシュロッド, ツインダンパー
エンジン フォード・ZETEC-R
トランスミッション 6/7速 横置きセミAT
主要成績
チーム マイルドセブン・ベネトン・フォード
ドライバー 5. ミハエル・シューマッハ
5,6. JJ・レート
6. ヨス・フェルスタッペン
6. ジョニー・ハーバート
出走時期 1994年
コンストラクターズタイトル 0
ドライバーズタイトル 1(1994年)
通算獲得ポイント 103
初戦 1994年ブラジルGP
初勝利 1994年ブラジルGP
最終戦 1994年オーストラリアGP
出走優勝表彰台ポールFラップ
1681267
テンプレートを表示

ベネトンB194 (Benetton B194) は、ベネトン・フォーミュラ1994年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カー。設計者はロス・ブラウンロリー・バーン1994年の開幕戦から最終戦まで実戦投入された。

概要

ベネトンで初めてのドライバーズチャンピオンをミハエル・シューマッハが獲得したマシンである。キャメルに代わり日本たばこ産業 (JT) がマイルドセブンブランドでメインスポンサーとなったため、カラーリングは黄色から水色をベースにしたものへイメージチェンジした。

B194は1月14日にテストドライバーのアラン・マクニッシュによりシルバーストン・サーキットにて公開シェイクダウンが行われた[1]。当初は1993年のマシンであるB193Bからアクティブサスペンション4WSといったハイテクシステムを取り除いたようなマシンで、前年型からエアロダイナミクスに違いはあまり見られなかった。

しかし、5月の第3戦サンマリノGP以後に連続で発生した重大事故により、シーズン途中ながら大幅なレギュレーションの変更が実施された。そのため、登場時と最終戦ではあらゆる所が違うほど変更された。ボーテックスジェネレーターは除去され、せりあがるバナナノーズはB192から継続されたが、リヤロアウイングが、よりダウンフォースを稼ぐために上下にねじれたブーメラン形に変更を受けた。

エンジンはフォードで昨年までと同じだが、HBエンジンに代えて新たに開発されたZETEC-Rエンジンを搭載。これには以前開発されていたV12エンジンのノウハウが転用された。B193Bは燃料が減るとペースが大幅に上がる特徴があり、この特徴が燃料給油解禁となった事でB194に有利に働いた。ロス・ブラウンはレギュレーションが大きく変わる翌年に備えて前年のシーズンを早々に捨てて、1994年型マシンの開発に集中したと後に発言している。

レース中の給油が解禁されたことに最も劇的に対応していた。他のチームは給油の解禁が意味するところを完全に理解しておらず、ハーフタンク時のペースとピットストップの給油時間の計算で最も速くレースを走り抜ける作戦を遂行した事で他チームとの差を付けた。ただしレギュレーション違反行為(後述)も含まれるため、適切であったかは問われる。

1994年のハイテクデバイス禁止後、いち早くトラクションコントロールシステム (TCS) を使用した車の1つと言われている。[要出典]前年までTCSを使用していた他チームの人々はB194の動きに疑問を持ち、ベネトンはFIAの調査を受ける事になった。エンジンコントロールユニット (ECU) からTCS制御プログラムらしきものが検出されたが、使用した形跡を特定できなかったため、証拠不十分として無罪とされた[2]。ECUに組み込む形でのTCS使用はレギュレーションで規制するのが困難で、FIAはフェラーリやマクラーレンにも同種の疑いがあったと発表した[2]

また、給油時間を短縮するために給油装置からフィルターを取り外し、給油の速度を上げる改造を行っていたことが原因でドイツGPのピットで火災を起こしたこともあった[3]

スペック

2006年グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて

シャーシ

  • シャーシ名 B194
  • 全長 4,075 mm[4]
  • 全高 950 mm
  • 全幅 2,140 mm
  • ホイルベース 2,880 mm
  • 前トレッド 1,690 mm
  • 後トレッド 1,618 mm
  • 重量 515kg
  • 燃料タンク容量 200L
  • トランスミッション 横置き6速/7速セミオートマチックトランスミッション
  • クラッチ AP
  • ブレーキキャリパー ブレンボ
  • ブレーキディスク・パッド カーボンインダストリー
  • ホイール BBS
  • タイヤ グッドイヤー

エンジン

記録

シューマッハは2戦失格・2戦出場停止というハンディを負いながらも、8勝6ポールポジションを記録して自身初のドライバーズチャンピオンを獲得した。しかし、セカンドドライバーの成績が不振だったことから、コンストラクターズチャンピオンはウィリアムズから奪い取ることができなかった。

No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 ポイント ランキング
BRA
PAC
SMR
MON
ESP
CAN
FRA
GBR
GER
HUN
BEL
ITA
POR
EUR
JPN
AUS
1994 5 シューマッハ 1 1 1 1 2 1 1 DSQ Ret 1 DSQ EX EX 1 2 Ret 103 2位
5/6 レート Ret 7 Ret 6 9 Ret
6 フェルスタッペン Ret Ret Ret 8 Ret 3 3 Ret 5 Ret
6 ハーバート Ret Ret

脚注

  1. ^ フォードV8最終兵器 ゼテックRの究極 F1グランプリ特集3月号 72頁 ソニーマガジンズ 1994年3月16日発行
  2. ^ a b 『F1グランプリ特集』9月号、ソニーマガジンズ、1994年、29頁。
  3. ^ 三栄書房刊 GRAND PRIXCARS 名車列伝Vol.7
  4. ^ BENETTON B194 Ford TEAM DATA AS+F 保存版F1総集編1994 P.43 三栄書房 1994年12月14日発行






固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ベネトン・B194」の関連用語

ベネトン・B194のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ベネトン・B194のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのベネトン・B194 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS