プライベーター大躍進、ワークス勢の不振
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 04:38 UTC 版)
「2009年のF1世界選手権」の記事における「プライベーター大躍進、ワークス勢の不振」の解説
前年、ランキング1〜4位を占めたフェラーリ、マクラーレン、BMWザウバー、ルノーは揃って苦戦、代わってブラウンGPとレッドブルというプライベーター2チームがシーズンを席巻し、タイトル争いはジェンソン・バトン、ルーベンス・バリチェロ、マーク・ウェバー、セバスチャン・ベッテルと、これまた今までタイトルとは無縁だった4人による激しい争いが繰り広げられる異例の展開となった。 ブラウンGPは前年末に撤退したホンダチームの資産を譲り受けて開幕直前に発足したが、コンストラクターとして4例目となるデビューウィンを皮切りに17戦中8勝5ポールポジション (PP) を獲得し、創設初年度でのコンストラクターズタイトル獲得という偉業を達成した。エースドライバーのジェンソン・バトンは前半7戦中6勝し、後半戦は未勝利(表彰台2回のみ)と失速したが、前半戦で得た大量リードを活かし、第16戦ブラジルGPにて自身初のドライバーズチャンピオンを獲得した。 レッドブルは第3戦中国GPにてチーム創設5年目にして初優勝を達成。エイドリアン・ニューウェイ指揮による優れたエアロパッケージを持つマシンを開発し、ブラウンGPに対抗して6勝5PPを記録した。セバスチャン・ベッテルはチャンピオン候補へと成長し、マーク・ウェバーは第9戦ドイツGPにてもっとも遅い初優勝(132戦目)を果たした。 このような大番狂わせが起こった背景には、今季は任意で運動エネルギー回生システム (KERS) を搭載することが可能になり、ワークス系4チームはこの分野の開発を優先したが、重量増加などのデメリットによりすぐさま戦闘力向上にはつながらなかった(シーズン中の走行テストが禁止されたことも影響した)。結果的にこのシーズンは空力開発に傾倒したブラウンGPやレッドブルが成功する形となった。
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