ブラジ・カチュルによる英語の使用の分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 23:22 UTC 版)
「国際英語論」の記事における「ブラジ・カチュルによる英語の使用の分類」の解説
ブラジ・カチュル は、英語の使用を三重の同心円で分類した。 「内円」に該当するのは、英語の伝統的な基盤であるイギリス・アイルランドと、北米のアメリカ合衆国とカナダ(ケベックなどのフランス語圏は除く)、ならびにオーストラリア・ニュージーランド・カリブ海の若干の島である。これらの国々の国語は英語であって、これらの国々に住んでいる大部分の人々にとって英語は母語である。 「外円」には、英語が公用語であるか、歴史的に「特別な重要性」を持っている国が該当する。フィリピンなど米国の影響下にある国々と、かつては大英帝国を構成していたイギリス連邦の大部分(インド、ナイジェリアなど)である。これらの地域では、英語は民族のおよび言語グループ間で役に立つリンガ・フランカとして用いられ、高等教育・議会・司法・国際貿易において、英語が媒介言語として使用される。 「拡大円」には、英語に公式的な役割がない国が該当する。多くの多国籍企業では、英語が重要な役割を果たしている。英語は、地球規模の共通語となりつつあるが、その一例として、スカンジナビアにおける近縁の言語であるデンマーク語・ノルウェー語・スウェーデン語の話者間においても、英語が相互理解のための言語としての役割を果たすことが多くなってきていることが指摘できる。スカンジナビアの年配の世代は、各々が母語を使用しても問題なく解り合えるのだが、若年の世代においては言語間の意思疎通が困難となりつつあり、共通言語としての英語の使用が増加している。「拡大円」におけるリンガ・フランカとしての英語の研究は比較的新しく、この分野で活発な研究を行っている言語学者には、Jennifer Jenkins・Barbara Seidlhofer・Christiane Meierkord・Joachim Grzega らがいる。
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