フルオロピリミジン系抗真菌薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 14:57 UTC 版)
「抗真菌薬」の記事における「フルオロピリミジン系抗真菌薬」の解説
真菌内のシトシンデアミナーゼによって、抗ガン剤として使用される場合のある5-フルオロウラシル(5-FU)に変換され、それがさらに真菌内で化学修飾された結果、DNAの合成阻害と、異常なm-RNAの生合成を引き起こさせる。これに対して、ヒトを含めた動物の細胞はシトシンデアミナーゼを有さないため、ヒトに使用しても比較的副作用が少ないとされる。しかし、全く副作用が無いわけではなく、代表的な副作用として、骨髄機能抑制や胃腸障害が挙げられる。これらは、5-FUでも副作用として見られる。5-FUの分解を阻害する薬物を併用すると危険で、ギメラシルとオテラシルの合剤とは併用禁忌である。 フルシトシン(flucytosine)(5-FC) フルシトシンはフッ化ピリミジンの構造を持っている。フルシトシン単独での投与の場合は耐性を生じ易く、カンジダはフルシトシン耐性菌が増加している。ポリエン系抗真菌薬であるアムホテリシンBと併用する場合が多い。併用により相加・相乗作用が見られ、アムホテリシンBの投与量を減量する事で、副作用を軽減できる可能性がある。フルシトシンとアムホテリシンBの併用による相乗効果は、アムホテリシンBの細胞膜障害作用によってフルシトシンの取り込み効率が上昇することにより生じると考えられている。なお、抗真菌作用は時間依存的である。
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