フリクションドライブ
フリクションドライブとは、動力を伝達する機構の一種で、駆動装置の表面の摩擦力によって運動を伝える機構のことである。
フリクションドライブの具体的な形式としては、滑らかな円盤同士をすり合わせた摩擦によって回転を伝えるような方式がある。ギア(歯車)などに比べると、フリクションドライブは構造がはるかに単純で、滑らかで無段階の動力伝達が可能であるという特徴がある。そのため、歯車がかみ合う際のわずかな動作ムラも許されないような繊細な機構においては、フリクションドライブ機構が採用される場合がある。しかしギアに比べると、空転が多く、動力の伝達効率が著しく低いという難点がある。
なお、フリクションドライブと同様に摩擦によって動力を伝達する機構で、接触面に特殊な油膜を挟んで動作させる方式がトラクションドライブ(Traction Drive)と呼ばれている。トラクションドライブでは、油の粘性によってフリクションドライブよりも効率的にエネルギーを伝達することができる。
フリクションドライブ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/01 02:19 UTC 版)
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フリクションドライブ(英語:friction drive)とは、駆動装置の接触による摩擦力を利用して動力を伝達する方式のことである。
具体的には、例えば、回転する円盤同士を接触させてその摩擦により動力を伝達するもので、ギアやチェーン[要曖昧さ回避]などに比べて構造が単純で、かつ滑らかで無段階な動力の伝達が可能である特徴を有するが、伝達時にすべりが発生するため、原理的に大きな力の伝達には効率が悪く、不向きである。しかし、歯車伝達特有のコギングがなく、安定しているため、望遠鏡等の精密機械には使用される。
伝達容量が少ないため、現在は自動車などの輸送機での動力伝達としての目的での使用はまれであるが、日産自動車が開発したエクストロイドCVTのようなトロイダルCVTは摩擦を利用して動力を伝達しているため、フリクションドライブの範疇に含まれると言える。
出典
文献
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- 矢田恒二, 「トラクションドライブの最近の動向」『精密工学会誌』 56巻 9号 1990年 p.1575-1580, doi:10.2493/jjspe.56.1575
- 畑一志, 「トラクションオイルの分子構造とトラクション特性」『精密工学会誌』 56巻 9号 1990年 p.1589-1592, doi:10.2493/jjspe.56.1589
- 町田尚, 「トラクションドライブの製品と性能」『精密工学会誌』 56巻 9号 1990年 p.1597-1601, doi:10.2493/jjspe.56.1597
- 加藤康司, 「フリクションドライブの基礎と応用」『精密工学会誌』 56巻 9号 1990年 p.1602-1606, doi:10.2493/jjspe.56.1602
- 中川邦彦, 森一夫, 「映像・音響・OA 機器のフリクションドライブ」『精密工学会誌』 56巻 9号 1990年 p.1607-1610, doi:10.2493/jjspe.56.1607
- 高橋道郎, 大塚二郎, 「摩擦駆動による精密位置決め」『精密工学会誌』 56巻 9号 1990年 p.1611-1614, doi:10.2493/jjspe.56.1611
- 足立幸志, 加藤康司, 「運動・動力伝達法 フリクションドライブ・トラクションドライブ」『精密工学会誌』 60巻 10号 1994年 p.1410-1415, doi:10.2493/jjspe.60.1410
関連項目
- 摩擦接触力学
- 粘着式鉄道 - フリクションドライブと直接の関係はないが、摩擦についての詳細な記述がある
外部リンク
- 『内外品使用成績比較調. 土木工事関係ノ部』昭和5年(国立国会図書館デジタルコレクション)
- フリクショントランスミッション『瓦斯倫自動車. 第2巻』大正14年(国立国会図書館デジタルコレクション)
- フリクションドライブのページへのリンク