フェルグスの死
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/11 06:21 UTC 版)
「フェルグス・マク・ロイヒ」の記事における「フェルグスの死」の解説
ラーン キャロウモア湖 フェルグスの没地は古詩 Conailla Medb míchuru では現代のアントリム県の港町ラーンの近傍、説話『フェルグス・マク・ロイヒの最期』では現代のメイヨー県のキャロウモア湖(英語版)だったとされる。 フェルグスの死を扱った説話『フェルグス・マク・ロイヒの最期』は スコットランド弁護士会図書館写本 72.1.40 とレカンの黄書の二冊に所収されて現存する。後者に所収された版は前者のそれよりも短く、欠落箇所がある。前者に所収される版では、メイヴの夫アリルは嫉妬から自身の兄弟である盲目の詩人ルギドを騙し、フェルグスを殺害させる。このルギド、フェルグスとは里子兄弟の間柄で長じてからも良好な関係を築いていたため、自身が彼を手に掛けた事を悟ると嘆き悲しんだ。 フェルグスが殺害されたのは彼がコナハトへと亡命して14年後の事であった。アリルはメイヴがフェルグスを湖の中に誘い情事にふける様を目撃し、彼の殺害を計画する。メイヴが立ち去りフェルグスが一人になったのを見計らうとアリルは盲目のルギドに鹿のつがいが湖でまぐわっているぞと言うと投げ槍を渡し、鹿を狩るよう促す。盲目にも関わらず投げ槍の名手であるルギドの槍は狙い過たず「鹿」、即ち体を洗っていたフェルグスに突き刺さった。フェルグスは自身の胸を貫通した槍を引き抜くとアリル目掛けて投げ返すが紙一重で命中せず、湖から上がりほとりの丘の上で息絶えた。 なお後にアリルはこの報いを受け、老境に入って体も不自由になり不本意ながらコナハトで養われていたコナル・ケルナッハに殺害される(『クルアハンでのコナル・ケルナッハの扶養と、アリルとコナル・ケルナッハの最期』)。 一方、古詩 Conailla Medb míchuru ではフェルグスの死因は『フェルグス・マク・ロイヒの最期』とは全く異なり、猛毒によるものとされる。
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