フィッシャーの正確確率検定の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/23 15:12 UTC 版)
「ハーディー・ワインベルクの法則」の記事における「フィッシャーの正確確率検定の例」の解説
フィッシャーの正確確率検定をハーディ・ワインベルク平衡検定に用いることもできる。これはアリル頻度pとqが与えられたとき、そのヘテロ接合体数が観測される確率はいくらかという条件付き確率の問題と見なすことができるためである。もし観察されたヘテロ接合体の数が期待値より顕著に多かったり、少なかったりした場合には条件付き確率は小さくなりHWPの仮説は棄却される。 Emigh (1980)は与えられたアリル頻度において、あるヘテロ接合体数を与える確率は以下の式で表されるとした。 p r o b [ n 12 | n 1 ] = ( n n 11 , n 12 , n 22 ) ( 2 n n 1 ) 2 n 12 , {\displaystyle \mathrm {prob} [n_{12}|n_{1}]={\frac {{n} \choose {n_{11},n_{12},n_{22}}}{{2n} \choose {n_{1}}}}2^{n_{12}},} ここで n11, n12、 n22 はそれぞれ AA、 Aa、 及び aaという3つの観測された遺伝子型を示しており、 n1 は A のアリル数を示しており、これらの関係は n 1 = 2 n 11 + n 12 {\displaystyle n_{1}=2n_{11}+n_{12}} と表される。 例:以下ではEmigh (1980)の例を用いて説明する。ここで n = 100、 p = 0.34と仮定する。 表2はありうるヘテロ接合体数とそれらの有意性の一覧である。 表 2: n=100, p=0.34の場合のFisherの正確確率検定の例ヘテロ接合体数有意性0 0.000 2 0.000 4 0.000 6 0.000 8 0.000 10 0.000 12 0.000 14 0.000 16 0.000 18 0.001 20 0.007 22 0.034 34 0.067 24 0.151 32 0.291 26 0.474 30 0.730 28 1.000 この表を使うと観測されたヘテロ接合体数から有意性のレベルを得ることができる。例えば観測されたヘテロ接合体数が20サンプルであるとき、検定の有意性は0.007である。少ないサンプルでフィッシャーの正確確率検定を行ったときと同様、ここでの有意性は離散的になっている。この検定を行う際にはnやpは検定ごとに異なるので、このような表を毎回作成することになる。
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