フィッシャーの因子分解定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/16 01:21 UTC 版)
「十分統計量」の記事における「フィッシャーの因子分解定理」の解説
十分統計量を決定する基準として、フィッシャーの因子分解定理がある。これは、 X の確率密度関数(離散的な場合には確率質量関数)をf(x ;θ) (これは尤度関数に等しい)とすると、ある関数 g と h が次の関係にある場合、かつその場合に限り、T はθ に対して十分である: f ( x ; θ ) = h ( x ) g ( T ( x ) ; θ ) {\displaystyle f(x;\,\theta )=h(x)\,g(T(x);\,\theta )} つまり、密度関数 f が分解できて、1つの因子 h が θ に依存せず、またもう1つの因子が T(x) を通してのみ x に依存するようにできる というものである。これは次のように考えるとわかりやすい。T(X) の値を一定に保ちながらデータ x の値を変え、このような変化が θ に関する推定に影響するかどうかを考えてみる。上の式が成り立つならば、尤度関数 f のθ に対する依存性は変化しないから、影響はないのである。 これが成立するならこの統計量は良いものであるというわけではない。しかし、少なくともこの条件を満たしていない統計量に良い結果は望めない。
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