ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調「葬送」
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調「葬送」 | Sonate b-Moll Op.35 CT202 | 作曲年: 1839(1835?)年 出版年: 1840年 初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel |
作品解説
ショパンの中期にあたる1839年に書かれたこのソナタは、彼の創作意欲の大きさを示すばかりか、彼の音楽形式に対する並々ならぬ才能が開花した数少ない傑作である。このソナタに関してシューマンは「彼の最も狂気じみた4人の子供を無理矢理一緒にした」と述べている。しかしこのソナタは、最初に完成した第3楽章『葬送行進曲』の2種の主題を基に他の楽章のモティーフを生み出すという技法によって、全曲が見事にまとめられている。内容も叙情的で力強く、この上なく独創的である。
・第1楽章(グラーヴェ、ドッピオ・モヴィメント 変ロ短調 2/2拍子 ソナタ形式)
荒々しく激しい第1主題と甘美で流麗な第2主題で構成。再現部は第2主題のみの出現で、全体のバランスの美しさを優先させている。
・第2楽章(スケルツォ 変ホ短調 3/4拍子 3部形式)
威圧的で深刻なスケルツォで、もはや冗談どころではなく恐怖の感すら強い楽章。中間部は一転して優美で柔和な旋律が交錯する。
・第3楽章(レント、マルシュ・フュネーブル 変ロ短調 4/4拍子 3部形式)
有名な葬送行進曲。重苦しい主部と、天国的な美しさを持つ中間部とが、絶妙な対比を成している。
第4楽章(プレスト 変ロ短調 2/2拍子)
終始一貫、三連符によるユニゾンが廃墟の中をかけめぐる。調性も形式もあいまいとしたまま曲は過ぎ去ってしまう。
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