ビッカースタッフ型脳幹脳炎との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/29 22:43 UTC 版)
「フィッシャー症候群」の記事における「ビッカースタッフ型脳幹脳炎との関係」の解説
1951年(昭和26年)ビッカースタッフ(Bickersttaff)が Mesencephalitis and rhombencephalitis と題して3例、次いで1957年(昭和32年)に Brainstem encephalitis として5例を加えた8例の報告を行った。カンピロバクターやインフルエンザ桿菌による先行感染後、外眼筋麻痺、失調、意識障害などを呈し、脳波でも全般性徐波が認められ、単相性の予後良好な疾患でありビッカースタッフ型脳幹脳炎と言われるようになった。ギラン・バレー症候群と同様の分子相同性疾患と考えられており、責任抗体も抗GQ1b抗体でありフィッシャー症候群に類似する。脳波、体性感覚誘発電位など電気生理学的検査や病的反射陽性例や深部腱反射亢進といった臨床症状で中枢神経系の障害が認められる点がフィッシャー症候群と異なる。ギラン・バレー症候群を合併し、四肢の筋力低下も伴うことがある。しかし、合併例と非合併例で臨床所見に有意差が認められない。ビッカースタッフ型脳幹脳炎とフィッシャー症候群を連続する疾患単位ととらえて Fisher-Bicerstaff 症候群と呼称したり、anti-GQ1b IgG antibody syndorome としてとらえる動きもある。anti-GQ1b IgG antibody syndorome にはPCBも含まれる。重要な鑑別疾患に治療可能なウェルニッケ脳症がある。
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