ビスホモ芳香族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/19 14:45 UTC 版)
長いあいだ、中性ホモ芳香族の最もよい例はバレレンやセミブルバレンなどのビスホモ芳香族であるとされてきた。1966年に初めて合成されたセミブルバレンはホモ芳香族として考えるに十分な構造を持っていたが、セミブルバレン誘導体が真に非局在化された基底状態を持つホモ芳香族化合物であるのかどうかには議論があった。セミブルバレンを電子供与性基および電子求引性基で置換することにより非局在化された遷移状態をより安定化させるための努力がなされる中で、この転位反応の活性化障壁は低減することはできるものの除くことはできないことがわかった。しかし、局在化した基底状態構造を不安定化させることを狙って、循環環化の戦略的な追加を通じて環状分子に歪みを導入することにより、非局在化されたホモ芳香族基底状態構造を実際に得ることができた。 中性ホモ芳香族の中でも、中性ホモ芳香族性を示すことが最もよく信じられている化合物としてホウ素含有化合物である1,2-ジボレタンが挙げられる。置換ジボレタンは局在化構造よりも非局在化構造の方が極めて安定化されていることが示されており、ホモ芳香族性を強く示す証拠となっている。電子供与性基が二つのホウ素原子に結合した場合は、その化合物は局在化された結合を持つ古典構造を好む。ホモ芳香族的特徴は、電子求引性基がホウ素原子に結合し、化合物が非局在化された非古典構造をとるようになったときに最もよく見られる。
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