ヒル (F1)とは? わかりやすく解説

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エンバシー・ヒル

(ヒル (F1) から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/13 23:12 UTC 版)

エンバシー レーシング ウィズ グラハム ヒル
創設者 グラハム・ヒル
参戦年度 1975年
出走回数 10
コンストラクターズ
タイトル
0
ドライバーズタイトル 0
優勝回数 0
通算獲得ポイント 3
表彰台(3位以内)回数 0
ポールポジション 0
ファステストラップ 0
F1デビュー戦 1975年スペインGP
初勝利
最終勝利
最終戦 1975年アメリカGP
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エンバシー・ヒルEmbassy Hill )は、1962年と1968年のワールドチャンピオンであるグラハム・ヒルが設立し、1973年から1975年までF1に参戦していたイギリスのレーシングチームである。なお最初の2年間はシャシーを購入して参戦していたため、「ヒル」のコンストラクター名でのエントリーは1975年のみであった。

概要

シャシー購入時代

1973年に使用したシャドウ・DN1

1973年にグラハム・ヒルがエンバシー レーシング ウィズ グラハム ヒルの名称でチームを設立した。初年度はシャドウからシャシーを購入し、ヒルのみの1カー体制で第4戦スペイングランプリから参戦したが、かつての名手をもってしても後方グリッドからのスタートがほとんどで、入賞を記録することはなかった。

1974年に使用したローラ・T370

1974年にはシャシーをローラ製に変更、セカンドドライバーとしてガイ・エドワーズ(後半戦でロルフ・シュトメレンと交替。他にピーター・ゲシンが1戦のみ参戦)が加わった。相変わらず後方グリッドからのスタートがほとんどであったが、唯一第7戦スウェーデングランプリでヒルが6位入賞を記録した。

1975年も序盤3戦をローラ製シャシーで戦ったが、シュトメレンが第3戦南アフリカグランプリで記録した7位が最高で、ポイントは挙げられずに終わっている。また、アルファロメオ水平対向12気筒エンジンを搭載してテストが行われたが、レースには出走しなかった[1]

オリジナルシャシー時代

序盤3戦をローラ製シャシーで戦ったヒルは、第4戦スペイングランプリより自社製シャシーGH1を投入し、真のF1チームとして初参戦となった。

しかし、このデビューレースでシュトメレンのGH1が観客席に飛び込んで4人が死亡する惨事を引き起こしてしまい、当事者のシュトメレン自身も重傷を負っていしまう。更に、ヒル本人も得意のモナコグランプリでよもやの予選落ちを喫してしまう。

この大敗がショックとなったのか、ヒルはステアリングを握ることなくオーナー業に専念。苦戦基調は相変わらずだったが、新鋭のトニー・ブライズアラン・ジョーンズが時折光る走りを見せ、ブライズがスウェーデングランプリで6位、ジョーンズがドイツグランプリで5位入賞を記録した。

終焉

1975年シーズン終了後の11月29日、翌年用のシャシーGH2のテストをフランスで行った帰路、霧深い中でヒル自身が操縦する軽飛行機がロンドン近郊のゴルフ場に墜落。ヒルとブライズを含むチーム関係者が命を落とすこととなり、チームは消滅した。

なお、怪我の療養のためにテスト参加を自重し九死に一生を得たシュトメレンであるが、1983年に参戦したIMSA GT選手権でスペイングランプリの事故を再現するかのような事故で、壮絶な最期を遂げている。

F1での戦績

凡例)(太字ポールポジション 斜体:ファステストラップ)

シャシー エンジン タイヤ ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 ポイント 順位
1973年 シャドウ・DN1 コスワース・DFV V8 G ARG
BRA
RSA
ESP
BEL
MON
SWE
FRA
GBR
NED
GER
AUT
ITA
CAN
USA
- -
グラハム・ヒル Ret 9 Ret Ret 10 Ret NC 13 Ret 14 16 13
1974年 ローラ・T370 コスワース・DFV V8 F ARG
BRA
RSA
ESP
BEL
MON
SWE
NED
FRA
GBR
GER
AUT
ITA
CAN
USA
- -
グラハム・ヒル Ret 11 12 Ret 8 7 6 Ret 13 13 9 12 8 14 8
ガイ・エドワーズ 11 Ret DNQ 12 8 7 Ret 15 DNS DNQ
ピーター・ゲシン Ret
ロルフ・シュトメレン Ret Ret 11 12
1975年 ローラ・T370 コスワース・DFV V8 G ARG
BRA
RSA
ESP
MON
BEL
SWE
NED
FRA
GBR
GER
AUT
ITA
USA
3 11位
ロルフ・シュトメレン 13 14
グラハム・ヒル 10 12 DNQ
ローラ・T371
/ヒル・GH1
コスワース・DFV V8 G ロルフ・シュトメレン 7 Ret 16 Ret
ヴァーン・シュパン Ret
アラン・ジョーンズ 13 16 10 5
フランソワ・ミゴール NC Ret
グラハム・ヒル DNQ
トニー・ブライズ Ret 6 7 7 15 Ret 15 Ret Ret

脚注

  1. ^ 『ワールド・カー・ガイド DX18 アルファロメオ』 ネコ・パブリッシング、2006年、166頁。

関連項目


「ヒル (F1)」の例文・使い方・用例・文例

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