ヒドロキシ基の保護基
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 02:41 UTC 版)
エーテル系 メチル基 – Meと略される。多くはフェノール性ヒドロキシ基の保護基として用いられる。三臭化ホウ素などの強いルイス酸によって脱保護させる。 ベンジル基 – Bn または Bzl と略されることが多い。パラジウムを触媒とした水素添加反応、バーチ還元などで脱離できる。 p-メトキシベンジル基 – PMBあるいはMPMと略される。ベンジル基と同様な条件の他、2,3-ジシアノ-5,6-ジクロロ-p-ベンゾキノン (DDQ) や硝酸セリウムアンモニウム (CAN) などによる酸化条件でも脱保護が可能である。 tert-ブチル基 – トリフルオロ酢酸や、4mol/L 塩酸-酢酸エチル溶液などの強酸性条件下脱保護することができる。 アセタール系 メトキシメチル基 (MOM)、2-テトラヒドロピラニル基 (THP)、エトキシエチル基 (EE)など。いずれも酸性条件下水との反応で除去する。酸に対する感受性は保護基によって差があるため、うまく選択することによって掛け分け・外し分けが可能である。 アシル系 アセチル基 – Ac と略する。メタノール中炭酸カリウムによって脱保護できる。 ピバロイル基 – Piv と略する。アセチル基よりも強い塩基性条件で脱保護する。 ベンゾイル基 – Bz と略する。強塩基条件または強いヒドリド還元条件で脱保護する。 シリルエーテル系 トリメチルシリル (TMS)、トリエチルシリル (TES)、tert-ブチルジメチルシリル(TBSまたはTBDMS)、トリイソプロピルシリル (TIPS)、tert-ブチルジフェニルシリル (TBDPS) などが用いられる。酸性条件またはフッ化物イオンを作用させることで脱保護できる。それぞれ脱保護条件に対する感受性が異なるので、条件により使い分ける。
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