ヒトパピローマウイルスと子宮頸癌の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 14:14 UTC 版)
「ヒトパピローマウイルスワクチン」の記事における「ヒトパピローマウイルスと子宮頸癌の関係」の解説
「ヒトパピローマウイルス」を参照 子宮頸癌の最大の特徴は、予防可能な癌であるという点である。日本では、子宮頸癌の人々の87.4%に、あらゆる型のヒトパピローマウイルス(Human papillomavirus:HPV)感染が確認されている。以下、特に断りのない限り本記事では子宮頸部扁平上皮癌について述べる。 HPVには100種類以上の種類があり、そのうち16型と18型のHPVが、子宮頸癌の約60-70%に関係しているとされる。感染頻度の低い、他に高リスクとされる型には全てではないが31、39、51、52、56、58、59などがある。信頼性の高いPCR/シークエンス法による日本での調査では、16型18型は子宮頸癌のほぼ50%から検出されている。 HPVによる感染の大部分は一過性で自覚症状がない。新たに感染したHPVは、1年以内に70%が、2年以内に約90%が自然消失するので、HPVの感染自体が必ずしも致命的な事態ではない。発癌性のある高リスクのHPVによる感染から前癌病変である異形成組織の形成まで1-5年とされ、子宮頸癌の発生までは通常10年以上、平均で20年以上かかるとされる。前癌病変も軽度なCIN2と呼ばれる状態では、24歳までの若年女性で、1年で38%、2年で63%が自然軽快し、CIN2では確率は低いが、CIN3まで進んだ場合には12-30%が癌に進行すると推定されている。結局HPV感染者の0.15%が癌に至るとされる。
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