パトリック・コービンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > パトリック・コービンの意味・解説 

パトリック・コービン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/16 14:23 UTC 版)

パトリック・コービン
Patrick Corbin
テキサス・レンジャーズ #46
ワシントン・ナショナルズ時代
(2021年7月1日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国
出身地 ニューヨーク州オノンダガ郡クレイ英語版
生年月日 (1989-07-19) 1989年7月19日(36歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
210 lb =約95.3 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 2009年 MLBドラフト2巡目
初出場 2012年4月30日
年俸 $1,100,000(2025年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

パトリック・アラン・コービンPatrick Alan Corbin, 1989年7月19日 - )は、アメリカ合衆国ニューヨーク州オノンダガ郡クレイ英語版出身のプロ野球選手投手)。左投左打。MLBテキサス・レンジャーズ所属。

経歴

プロ入り前

少年時代にはリトルリーグで野球を経験していたが[2]キケロ・ノースシラキュース高等学校英語版(C-NS)に入ると野球チームには入らず、友達との遊びを好み、スポーツはバスケットボールアメリカンフットボールに熱中した。バスケのチームメイトに勧められ野球チームのトライアウトを受けると、トレーニングをほとんどしていないにもかかわらず80mph(約130km/h)の速球を投げた[3]。それから野球もするようになり、C-NSは州のトップチームになり、自身は全区選抜や中ニューヨーク州選抜に選ばれた[4]。高校時代の通算成績は14勝0敗、139奪三振[5]。また、バスケットボールでは学校のシーズンの最多スリーポイント記録を更新する活躍を見せ、全区選抜に選ばれた。

高校卒業後は成績が足りないために大学野球のできる4年制大学では進学できず、モホーク・バレー・コミュニティ大学英語版へ入学した。ここではバスケットボールに専念すると2チームのスカウトが来て7万5000ドルの契約金を提示されたが、最終的には断った[3]。シーズン後にトラベルベースボールチームに参加すると、90mph(約145km/h)の速球を投げ[4]、ヒットを1本しか許さない活躍を見せた[3]。その後、年中野球のできる気候のチポラ大学英語版に移ると野球に専念した[6]。ここでも活躍を見せ、パンハンドルのカンファレンス代表に選ばれるなどした[7][8]

プロ入りとエンゼルス傘下時代

2009年MLBドラフト2巡目(全体80位)でロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムから指名され、プロ入り。

ダイヤモンドバックス時代

2010年7月25日にダン・ヘイレンとの1対4のトレードが成立し、ジョー・ソーンダースタイラー・スカッグス、ラファエル・ロドリゲスと共にアリゾナ・ダイヤモンドバックスへ移籍した[9]

2012年4月30日のマイアミ・マーリンズ戦でメジャーデビューを果たし、6回途中を3失点で初登板初勝利を挙げた[10]。メジャー1年目の最終成績は6勝8敗1セーブ、防御率4.54、86奪三振を記録した[11]。オフには体重を10ポンド(4.5kg)増やし、速球のスピードも2マイル毎時(3.2km/h)増した[12]

アリゾナ・ダイヤモンドバックス時代
(2013年8月9日)

2013年は開幕ローテーションに入り[13]、5月には5試合に登板し、5勝0敗、防御率1.53を記録し[11]ピッチャー・オブ・ザ・マンスを受賞[14]。またその後も勝利を重ね、前半終了時点で11勝1敗、防御率2.53を記録し[11]、史上8番目の若さで[12]オールスターに選出された[15][16]。最終成績は14勝8敗、防御率3.41で、初の2桁勝利を記録した[11]

2014年年は開幕投手に内定していた[17]。しかしスプリングトレーニングで腕に張りを感じ、MRI検査の結果、肘の尺骨側副靭帯が損傷していた[18][19]。その後トミー・ジョン手術を受け、シーズンは全休した[19]

2015年は7月4日のコロラド・ロッキーズ戦で復帰登板した[20]。最終成績は16試合に先発登板し、6勝5敗、防御率3.60だった[11]

2016年8月10日

2016年年俸調停権を獲得し、1年総額252.5万ドルで合意した[21]。シーズンでは8月半ばまでに24試合に先発登板し、4勝12敗、防御率5.58と不振に喘ぎ、中継ぎに配置転換された[22]。 中継ぎとしては23.1イニングを投げ、防御率2.70の成績を記録した[23]

2017年は1年総額395万ドルで合意した[24]。先発に復帰し、前半はあまり良くなかったものの徐々に調子を上げていき、最後の3カ月は防御率2.90の好成績で、最終成績は14勝13敗、防御率4.03だった[25]。チームはポストシーズンに進出したが、出番はなかった[25]

2018年は1年総額750万ドルで合意した[26]。初の開幕投手を務め、開幕から好調で前半戦を6勝3敗、防御率3.05、140奪三振で終え、オールスターに選出された[27]。その後も好調を維持し、最終成績は200イニングを投げ、11勝7敗、防御率3.15、246奪三振で、サイ・ヤング賞投票では5位に入った[28]。オフの10月29日にFAとなった。

ナショナルズ時代

2018年12月4日にワシントン・ナショナルズと6年総額1億4000万ドルの契約に合意したことがMLB公式サイトで発表され[29]、同月7日に入団会見が開かれた。

2019年4月12日

2019年4月18日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦で初勝利[30]。7月2日のマイアミ・マーリンズ戦では、前日に急逝した元同僚のタイラー・スカッグスを偲び、彼が着けていた背番号『45』を着けて試合に臨んだ[31]。9月1日のマーリンズ戦で2年連続200奪三振に到達し、マックス・シャーザースティーブン・ストラスバーグと共にナ・リーグで50年ぶりとなる同一チーム3人の200奪三振を達成した[32]。最終成績は33試合に先発登板(202.0イニング)で14勝7敗、防御率3.25、238奪三振だった[11]。ポストシーズンでは計3試合の先発登板に加えて、リリーフとして5試合に登板した。ワールドシリーズ第7戦では6回裏から3回無失点に抑え、チームの逆転勝利および優勝に貢献した[33]。オフにウォーレン・スパーン賞を受賞。

2020年は2勝7敗で防御率4.66だった[34]。被安打85、WHIP1.569はともにナショナルリーグワーストだった[35][36]

2021年は31試合に先発登板して9勝16敗の負け越し、防御率5.82、143奪三振を記録した[11]

2022年は前年と同じ31試合に先発登板して6勝19敗と大幅に負け越した。また、防御率6.31、128奪三振を記録した[11]

2023年は前年を1試合上回る32試合に先発登板して10勝15敗と負け越した。ただ、防御率は5.20と僅かに改善した。また、124奪三振を記録した[11]

2024年は前年と同じ32試合に先発登板して6勝13敗と4年連続で負け越した。その他の成績は防御率5.62、139奪三振だった[11]。オフの10月31日にFAとなった[11]

レンジャーズ時代

2025年3月18日にテキサス・レンジャーズと、1年総額110万ドルプラス出来高総額300万ドルで契約を結んだ[37]

詳細情報

年度別投手成績





















































W
H
I
P
2012 ARI 22 17 0 0 0 6 8 1 0 .429 454 107.0 117 14 25 2 4 86 1 0 56 54 4.54 1.33
2013 32 32 3 0 1 14 8 0 0 .636 860 208.1 189 19 54 1 9 178 13 0 81 79 3.41 1.17
2015 16 16 0 0 0 6 5 0 0 .545 357 85.0 91 9 17 0 2 78 4 0 34 34 3.60 1.27
2016 36 24 0 0 0 5 13 1 2 .278 701 155.2 177 24 66 2 5 131 9 0 109 89 5.15 1.56
2017 33 32 0 0 0 14 13 0 0 .519 826 189.2 208 26 61 8 3 178 10 0 97 85 4.03 1.42
2018 33 33 1 1 0 11 7 0 0 .611 800 200.0 162 15 48 3 5 246 8 0 70 70 3.15 1.05
2019 WSH 33 33 1 1 0 14 7 0 0 .667 835 202.0 169 24 70 2 3 238 4 0 81 73 3.25 1.18
2020 11 11 0 0 0 2 7 0 0 .222 295 65.2 85 10 18 1 0 60 1 1 35 34 4.66 1.57
2021 31 31 0 0 0 9 16 0 0 .360 751 171.2 192 37 60 2 3 143 0 0 114 111 5.82 1.47
2022 31 31 1 0 1 6 19 0 0 .240 713 152.2 210 27 49 1 7 128 2 0 119 107 6.31 1.70
2023 32 32 0 0 0 10 15 0 0 .400 790 180.0 210 33 57 0 4 124 6 0 113 104 5.20 1.48
2024 32 32 0 0 0 6 13 0 0 .316 764 174.2 208 25 54 1 3 139 3 0 114 109 5.62 1.50
MLB:12年 342 324 6 2 2 103 131 2 2 .440 8146 1892.1 2018 263 579 23 48 1729 61 1 1023 949 4.51 1.37
  • 2024年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

ポストシーズン投手成績













































2019 WSH NLDS 3 1 0 2 0 40 8.0 7 0 7 1 1 14 0 0 8 7 7.88
NLCS 2 1 1 0 0 23 5.1 4 1 3 0 0 12 0 0 4 4 6.75
WS 3 1 1 1 0 40 10.0 10 1 2 0 0 10 0 0 4 4 3.60
出場:1回 8 3 2 3 0 103 23.1 21 2 12 1 1 36 0 0 16 15 5.79
  • 2024年度シーズン終了時

年度別守備成績



投手(P)












2012 ARI 22 3 17 0 2 1.000
2013 32 10 40 2 2 .962
2015 16 2 18 1 2 .952
2016 36 3 17 1 0 .952
2017 33 12 34 0 1 1.000
2018 33 10 27 0 2 1.000
2019 WSH 33 12 30 0 0 1.000
2020 11 1 8 1 1 .900
2021 31 9 29 0 1 1.000
2022 31 9 17 0 0 1.000
2023 32 11 36 2 3 .959
2024 32 3 22 0 1 1.000
MLB 342 85 295 7 15 .982
  • 2024年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰

記録

背番号

  • 46(2012年 - )

脚注

  1. ^ Patrick Corbin Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2025年5月10日閲覧。
  2. ^ Carlson, Chris (2013年7月14日). “Patrick Corbin of Clay is Major League Baseball's unlikeliest all-star”. The Post-Standard. http://blog.syracuse.com/sports/2013/07/pat_corbin_of_clay_is_major_le.html 2013年8月16日閲覧。 
  3. ^ a b c Carlson, Chris (2013年7月14日). “Patrick Corbin of Clay is Major League Baseball's unlikeliest all-star”. The Post-Standard (Syracuse, New York). http://blog.syracuse.com/sports/2013/07/pat_corbin_of_clay_is_major_le.html 2013年8月16日閲覧。 
  4. ^ a b Leo, Tom (2010年6月27日). “Corbin Making Rapid Ascent; The Former C-NS Pitcher is Moving Up in the Los Angeles' System”. The Post-Standard. http://www.highbeam.com/doc/1G1-230037951.html 2012年5月1日閲覧。 
  5. ^ Golden Eagles Nab Two Baseballers”. Scout.com (2009年4月20日). 2012年5月1日閲覧。
  6. ^ Bayanker, Chari (2009年6月11日). “Former C-NS Pitcher Drafted; The Angels Select Patrick Corbin in the Second Round of the MLB Draft”. The Post-Standard. http://www.highbeam.com/doc/1G1-201635241.html 2012年5月1日閲覧。 
  7. ^ Kent, Dustin (2009年4月29日). “Indians put five on All-Conference”. Jackson County Floridan. 2012年5月1日閲覧。
  8. ^ Milner, Brad (2009年5月29日). “Juco state baseball: Santa Fe defeats Chipola for title”. Panama City, Florida: The News Herald. 2012年9月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年8月16日閲覧。
  9. ^ Los Angeles Angels trade Joe Saunders to Arizona Diamondbacks for Dan Haren
  10. ^ April 30, 2012 Arizona Diamondbacks at Miami Marlins Play by Play and Box Score - Baseball-Reference.com
  11. ^ a b c d e f g h i j k MLB公式プロフィール参照。
  12. ^ a b Carlson, Chris (2013年7月14日). “Patrick Corbin of Clay is Major League Baseball's unlikeliest all-star”. The Post-Standard (Syracuse, New York). http://blog.syracuse.com/sports/2013/07/pat_corbin_of_clay_is_major_le.html 2013年8月16日閲覧。 
  13. ^ Baer, Bill (2013年3月30日). “D-Backs give fifth starter spot to Patrick Corbin”. HardballTalk. NBC Sports. 2013年6月2日閲覧。
  14. ^ Kruth, Cash (2013年6月3日). “Corbin's perfect May nets monthly pitcher award”. MLB.com. 2013年8月15日閲覧。
  15. ^ Bloom, Barry M. (2013年7月17日). “Arizona Diamondbacks Paul Goldschmidt and Patrick Corbin revel in first All-Star Game”. MLB.com. 2013年8月15日閲覧。
  16. ^ Sanders, Jeffrey (2013年7月17日). “Patrick Corbin's pre-All-Star season one of best in franchise history”. ArizonaSports.com. 2013年8月15日閲覧。
  17. ^ Short, D. J. (2014年3月3日). “Diamondbacks will start Patrick Corbin, Trevor Cahill in Australia series vs. Dodgers” (英語). HardballTalk. 2018年12月5日閲覧。
  18. ^ ET, 2014 at 1:36a (2014年3月16日). “Rosenthal: Pitching injuries pile up” (英語). FOX Sports. 2018年12月5日閲覧。
  19. ^ a b Arizona Diamondbacks left-hander Patrick Corbin underwent season-ending, Tommy John surgery ArizonaSports.com”. web.archive.org (2014年3月25日). 2018年12月5日閲覧。
  20. ^ Diamondbacks' Patrick Corbin strong in return from Tommy John surgery” (英語). azcentral. 2018年12月5日閲覧。
  21. ^ A.J. Pollock talks on hold; Diamondbacks sign 6 players” (英語). azcentral. 2018年12月5日閲覧。
  22. ^ syracuse.com. “Arizona Diamondbacks demote C-NS grad Patrick Corbin to bullpen” (英語). syracuse.com. 2018年12月5日閲覧。
  23. ^ Patrick Corbin confident he can deliver as an Arizona Diamondbacks starter” (英語). azcentral. 2018年12月5日閲覧。
  24. ^ Diamondbacks, Iannetta agree to $1.5 million, 1-year deal” (英語). azcentral. 2018年12月5日閲覧。
  25. ^ a b Diamondbacks manager Torey Lovullo eases his greatest regret by rewarding Patrick Corbin” (英語). azcentral. 2018年12月5日閲覧。
  26. ^ Corbin, Diamondbacks reach $7.5M, 1-yr. deal” (英語). ESPN.com (2018年1月12日). 2018年12月5日閲覧。
  27. ^ Patrick Corbin cleared for All-Star Game” (英語). MLB.com. 2018年12月5日閲覧。
  28. ^ Patrick Corbin fifth place in Cy Young voting” (英語). MLB.com. 2018年12月5日閲覧。
  29. ^ Patrick Corbin signs with Nationals” (英語). MLB.com. 2018年12月5日閲覧。
  30. ^ ナショナルズ新加入コービン8回途中1失点で初勝利”. nikkansports.com. 2019年11月2日閲覧。
  31. ^ ナショナルズ・コービン、親友スキャッグスの背番号で好投 09年ドラ1&2左腕、揃って移籍&デビュー”. ベースボールチャンネル. 2019年11月2日閲覧。
  32. ^ ナショナルズに“200奪三振トリオ”誕生 ナ・リーグで50年ぶり2度目の快挙”. Full-count. 2019年11月2日閲覧。
  33. ^ ナショナルズがWS初制覇、アストロズとの激闘制す”. www.afpbb.com. 2019年11月2日閲覧。
  34. ^ Patrick Corbin Stats”. Baseball-Reference.com. Sports Reference LLC. 2021年2月7日閲覧。
  35. ^ 2020 National League Pitching Leaders”. Baseball-Reference.com. Sports Reference LLC. 2021年2月7日閲覧。
  36. ^ 2020 National League Standard Pitching”. Baseball-Reference.com. Sports Reference LLC. 2021年2月7日閲覧。
  37. ^ Darragh McDonald (2025年3月18日). “Rangers Sign Patrick Corbin” (英語). MLB Trade Rumors. 2025年3月19日閲覧。

関連項目

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「パトリック・コービン」の関連用語

パトリック・コービンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



パトリック・コービンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのパトリック・コービン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS