パズル・ミステリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 00:09 UTC 版)
事件そのものの推理よりも暗号やパズルなどの謎解きに重点が置かれる作品。 ストーリーは重視されず、トリックが解けると結末は数行で纏められたり、そのまま作品が終了しその後が描かれない作品もある。舞台背景も重視されず、謎を成立させるために非現実的な設定(1人は必ず嘘をつき、もう1人は必ず真実を話す双子など)の作品もある。分量が少ないため短編集やショートショート集が多い。アイザック・アシモフの『ユニオンクラブ奇談』シリーズはショートショート集である。 ゲームブック形式もあり、1936年に発表されたデニス・ホイートリーの『捜査ファイル・ミステリー・シリーズ』は警察の捜査書類や証拠写真のページを読んで、袋とじになった解決編に書かれた犯人を当てるゲームができるようになっている。 ストーリー性が薄く、数学パズルに簡単な設定を付けたものや、ほぼ論理クイズ(ロジックパズル)となっている作品もある。これらはクイズ集やパズル集として出版されており、多くはクイズやパズルの作家が執筆している。推理作家志望やファン向けに様々な作品のトリックをクイズ形式で纏めた書籍もある。極端な例として京都大学推理小説研究会はジグソーパズルと推理小説を組み合わせた「推理小説×ジグソーパズル 鏡の国の住人たち」を刊行した。 なお、英語圏での分類である「パズラー(Puzzler)」「パズル・ストーリー(Puzzle Story)」は、ここでいうパズル・ミステリではなく、日本語での分類に則せば本格ものに近い。
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