バンコマイシン

微生物の用語解説

バンコマイシン

　殆どの抗生物質が効かなくなったＭＲＳＡ・メチシリン耐性黄色ブドウ球菌にも有効である唯一の抗生物質である。バンコマイシンにも抵抗力を獲得するようになると、ＭＲＳＡ感染症の治療に用いられ薬剤は見当たらなくなる可能性がある。

バンコマイシン [Vancomycin]

　放線菌Streptomyces orientalisによって産生される高分子の炭水化物抗生物質。グラム陽性菌、とくにペニシリンに耐性のブドウ球菌に有効である。腸管から吸収されず、静脈注射では副作用が強い。最近、バンコマイシンに耐性になった腸球菌(Vancomycin resistant Enterococcus: VRE)が問題になっている。この抗生物質は細菌の細胞壁の生合成を阻害する。