バイパス型魚道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/22 13:50 UTC 版)
ダムがサクラマスなど海と川を回遊する魚類に影響を与えることが懸念されていたため、ダム湖を迂回する全長6kmの魚道の設置が計画され、うち2.4kmが2005年に完成した。構造は多自然型(一部階段式)で、途中には水中を泳ぐ魚を観察できる窓が設けられており、魚道の長さは2005年現在日本一である。魚道の設置に際しては巨費に見合った効果が出ているのか疑問を呈する声もあり、一方で魚道の効果について調査・改良が行われている。 遡上に関しては、魚道はダム直下で本流と合流するがダム直下より5.0km下流の水力発電所放流口(地図)までは減水区間となるため、魚が魚道まで遡上しないことが懸念された。この対策としてダム直下より360mほどにわたって河床を部分的に掘り下げた低々水路を設けて流路を蛇行させながら魚道へ魚を誘導するとともに、遡上の時期にはダムの放流量を増やす弾力放流の取り組みが行われている。 また降下に関しては、ダム湖へ注ぐ河川から魚を魚道へ誘導する分水施設について、魚道に進入した魚が余水吐きからダム湖へ注ぐ流路へ戻ってしまうことが懸念されたため、改良が行われている。 さらにここでの知見をもとに、天塩川水系サンル川に建設される予定のサンルダムにおいてより長い魚道の設置が計画されている。
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