ハインケル HeS 40とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ハインケル HeS 40の意味・解説 

ハインケル HeS 40

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/30 08:58 UTC 版)

ハインケル HeS 40 (HeS - Heinkel Strahltriebwerke) は1940年または41年にハインケル社のアドルフ・ミューラーのチームによって設計された実験的な定容積ジェットエンジンである。機械的な配置はHeS 30を原型としているものの従来のカン型燃焼器は燃焼中に燃焼室を密閉するためのポペットバルブを備えた大型の燃焼器に交換された。

定容積燃焼は大半のレシプロエンジンで使用されるオットーサイクルに似ており、一般的なジェットエンジンで使用されるブレイトンサイクルよりも燃料消費効率が優れると考えられた。[1]

設計

設計はHeS 30を原型としただけでなく部品の製造も出来るだけ流用した。主な変更箇所は圧縮機の圧縮比を(2.8:1から)約2:1に下げ、新しい燃焼器が追加された。新しい燃焼器は原型より大きく、数が10から6基に減った。弁の取り付け部は圧縮機からの吸気部に流線型の形状になった。 [1]

運転サイクルは従来のレシプロ式の6気筒エンジンと似ている。自動車のターボチャージャーに似ており、圧縮された空気はシリンダーに入りポペットバルブが閉じて燃焼器内で混合気の燃焼が完了する。燃焼器内はその時、高温、高圧になるが圧縮比は一定ではない。高温のガスは動力を取り出すためにピストンを動かすのではなくタービンへ流れる。燃焼中にいくつかの損失があり、真のオットーサイクルよりも効率が低いが、従来のジェットエンジンよりは幾分高効率でやや複雑で費用がかかった。[1]

歴史

HeS 40は実際には製造されず机上の設計段階に留まった。HeS 30の性能が良好だったので設計作業は1942年に終了した。[1]

脚注

  1. ^ a b c d Kay, Anthony L. (2007). Turbojet History and Development 1930-1960. 1 (1st ed.). Ramsbury: The Crowood Press. ISBN 978-1-86126-912-6 

参考文献

  • German Jet Engine and Gas Turbine Development 1930-1945, Antony Kay, Airlife Publishing, 2002, ISBN 9781840372946

関連項目


「ハインケル HeS 40」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ハインケル HeS 40」の関連用語

ハインケル HeS 40のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ハインケル HeS 40のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのハインケル HeS 40 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS