ノーカーボン紙の複写原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/30 03:07 UTC 版)
「ノーカーボン紙」の記事における「ノーカーボン紙の複写原理」の解説
ノーカーボン用紙には、用紙に電子顕微鏡レベルの大きさの粒子状の無色インクを詰め込んだカプラーと呼ばれるカプセル物質が、一面に吹き付けられている(上用紙と中用紙の裏面)。ノーカーボン紙の書類に筆記用具などで圧力を加え、カプセルを圧力で押しつぶすことで染み出た無色インクが下に面する複写面(中用紙と下用紙の表面)に塗布された発色剤と化学反応させ、発色させることが可能となっている。従ってこのような行為で複写が可能なため、別名「感圧紙」とも呼ばれる所以である。 上記した「減感」という行為は、すなわち、この化学反応を無効化することで発色させない現象である。 このノーカーボン用紙の原理は、とある企業の実験の失敗から生まれており、インクの実験中に液の入れ間違いで偶然このような粒子状のカプセル溶液が発見された。この失敗から生まれた複写用紙がノーカーボン用紙である。ノーカーボン用紙は、最初に記したカーボン印刷用紙のようなカーボンインキを塗布した複写用紙に比べ、扱うときの擦れなどによる汚れがなく、手を汚さないという特徴があるために扱いやすく、カーボン印刷用紙と平行して、今日の複写印刷物の代表格として一気に普及した。
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