ヘンリー反応
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ヘンリー反応(へんりーはんのう、Henry reaction)とは、有機化学における人名反応のひとつ。塩基の媒介によりニトロアルカンとアルデヒドまたはケトンを縮合させ、β-ニトロアルコールを得る反応。1895年に L. Henry により最初に報告された[1][2]。形式や機構がアルドール反応の延長線上にあることから、ニトロアルドール反応とも呼ばれる。
上式のように、ニトロ基との共鳴によって安定化されたカルバニオンがカルボニル基へ求核的に付加して新しい炭素-炭素結合が作られた生成物を与える。生じたβ-アルコールが脱水を受けるとニトロアルケンとなり、これはマイケル付加やネフ反応の基質となる有用な化学種である。
参考文献
- ^ Henry, L. C. R. Acad. Sci. Ser. C. 1895, 120, 1265.
- ^ Henry, L. Bull. Soc. Chim. Fr. 1895, 13, 999.
関連項目
ニトロアルドール反応
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「アルドール反応」の記事における「ニトロアルドール反応」の解説
詳細は「ヘンリー反応」を参照 カルボニル化合物以外にα-位に水素を持つニトロ化合物も塩基性条件でアルデヒドやケトンに対して付加反応を行う。生成物はβ-ヒドロキシニトロ化合物である。通常、脱水反応は起こらないので、脱水反応を起こしたい場合にはヒドロキシ基をスルホニルクロリドと反応させるなどして脱離しやすくしてから塩基で処理する必要がある。この反応をニトロアルドール反応またはヘンリー反応(Henry reaction)という。 ニトロ基は非常に電子求引性が強いため、アミンなどの弱塩基によるアニオン生成が可能である。 求電子種に1,2不飽和カルボニル化合物に対しては共役付加反応(マイケル付加反応)を起こす。またこの場合、生じたエノラートアニオンが基質であるニトロアルカンのニトロ基隣接のプロトンを引き抜き、エノラートが生じるため、塩基は触媒量で反応が完結することが特徴である。
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