ドクターヘリ的運用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/16 04:11 UTC 版)
「埼玉県防災航空隊」の記事における「ドクターヘリ的運用」の解説
埼玉県では、秩父地方などの山間地などが第三次救急医療機関から遠く、また道路事情が悪く、昔から救急車が長時間かけて患者を搬送していた。2005年8月1日より埼玉県防災航空隊の防災ヘリで救急医療を実施してきたが、出動要請を受けた埼玉医科大学総合医療センター(川越市)の医療スタッフが、川島町の県防災航空センターに待機する防災ヘリに駆け付け離陸するまでに約25分を要することや、大型のヘリのため着陸できる場所が限られるなどの理由で、これまでの出動件数はわずかに37件であったため、2007年10月26日に、総合医療センターにドクターヘリ専用機の導入に踏み切った。 しかしながら、夜間運航装備がないドクターヘリでは日没後に運航をすることができず、夜間・早朝においては重大疾患患者を救急車で何時間もかけて搬送を行っていた。そのため、 2009年7月より、夜間照明機器などを搭載した防災ヘリに救急搬送装備(EMS)を搭載し、夜間・早朝においてもドクターヘリに近いサービスを受けられるようにした。要請を受けた後にホンダエアポートを離陸、夜間設備が整っている埼玉医大国際医療センター(日高市)に一旦着陸し、医療スタッフを搭乗させたあとに現地のランデブーポイントに向かうピックアップ方式により「24時間ドクターヘリ体制」が実施されている。ドクターヘリ専用機と防災ヘリのドクターヘリ的運航を組み合わせて24時間365日救急搬送サービスの実施を公的に表明しているのは、埼玉県だけであり、これまで高度医療サービスを受けづらかった埼玉県内の山間部の救急搬送水準を大きく向上させた。 下記の事故のため、埼玉県は、2010年7月より当分の間は夜間ドクターヘリ体制は中止することを表明した。 2011年1月に日中の防災ヘリによるドクターヘリ的運行に関しては再開された。 さらに2015年度より秩父地方での山岳救助事案では救命率向上のために原則、ドクターヘリとのランデブーを行うことなった。これは山岳救助事案の際はドクターヘリと防災ヘリのドッキングを行い、早期に埼玉医科大学総合医療センターのドクターとナースが要救助者に接触して救命処置を行いながら搬送を行うものである。
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