デザレットの領域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/28 15:07 UTC 版)
この暫定州は前年のメキシコ割譲地としてメキシコから獲得していた領土の大半に跨る大胆な提案だった。 領域として、おおまかにシエラネバダ山脈とロッキー山脈の間、メキシコ国境から北にオレゴン準州の一部も含むまで、さらにはカリフォルニア海岸の南、サンタモニカ山脈まで(既に存在したロサンジェルスやサンディエゴを含む)にも及んでいた。コロラド川水系の全域(メキシコ国境より南の地域は除外)と、グレートベースン全域を含む形だった。 現在の区分で言えば、ユタ州とネバダ州のほぼ全域、カリフォルニア州とアリゾナ州の大半、コロラド州、ニューメキシコ州、ワイオミング州、アイダホ州、およびオレゴン州の一部に跨っていた。 この提案は既に存在する開拓地から上がるかもしれない論争を避けるために具体的に仕組まれた。この提案当時、ゴールドラッシュが起こったカリフォルニア北部の開拓地の大半は暫定州に含まれていなかったので、この地域の人口はカリフォルニア南部を含んでも希少だった。同様にテキサス州西境界は論争が起こっていたのでそれに巻き込まれないために、ニューメキシコとの境界はリオ・グランデ川まで伸ばしていなかった。 さらにこの提案には耕作に適さないと見られた多くの土地を含んでおり、このことで奴隷制の拡大問題に関する議論を避けていた。 この州昇格提案はアメリカ合衆国議会から見れば、仮にモルモン教徒の一夫多妻制という議論の多い問題を無視したとしても、あまりに気宇壮大でありほとんど成功しないと考えられた。それでもザカリー・テイラー大統領はできるだけ論争を避けることに熱心であり、代理人ジョン・ウィルソンを西部に派遣し、カリフォルニアとデザレットを1つの州とする提案を持たせた。そうすれば合衆国に加入する自由州の数の増加分を1つにしておく効果があり、合衆国上院での力のバランスを保てると考えた。
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