ディーゼル車改造LPG車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 22:25 UTC 版)
「LPG自動車」の記事における「ディーゼル車改造LPG車」の解説
ディーゼルエンジンからの改造はオットーサイクルへの改造を伴い、タンクや燃料供給系統をLPG用とするだけでなく、点火プラグを追加するなど、エンジン本体への改造が必要である。2006年にエルピーガス振興センターによって行われた調査によると改造費は1台あたり50万円以内であるとされる。 日本での実例としては、いすゞ(4HG1型ベース)、三菱ふそう(4D34型ベース)、トヨタにより開発、販売されたことがある。韓国ソウル市では市の清掃車や規制に適合しないディーゼルトラックをLPG化する改造が行われており、2005年度に6,000台が改造された。ただし、この用途でのガス燃料化は日本では(特に中・大型車では)LPG化よりCNG化の方が中心である。 このほかに、DDF(ディーゼル・デュアル・フューエル)システムと呼ばれる、軽油とLPGを同時に利用する方式も実用化され、改造用の部品が販売されている。DDFシステムはLPGやCNGといったガス燃料と空気の混合気を燃焼室に送り、圧縮行程で高温になったシリンダー内の混合気に軽油を噴射して、軽油の自己着火により点火する方式である。点火プラグの追加を必要とせず、ディーゼルエンジン本体の構造はそのまま使えることから、オットーサイクルに転換するLPG改造よりも低コストである。 ただしオットーサイクル化・DDF化とも、軽油燃料のみを用いるディーゼルエンジン本来の高い熱効率による経済性は損なわれる。これらのディーゼル車改造によるLPG車化は、近年厳格化が進行している排気ガス浄化規制策の一つと見るべきものである。ディーゼル車自体の排ガスのクリーン化もあり、新車としてのLPG・CNGのトラック・バスは設定が廃止されつつある。
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