ディオニューソスの子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/21 15:21 UTC 版)
このトアースは、レームノス島の王である。クレータ島の王ミーノースの娘アリアドネーとディオニューソスの子で、オイノピオーン、スタピュロス、ペパレートスと兄弟。アリアドネーとテーセウスの子ともいわれる。ヒュプシピュレー、シキノスの父。 神話によると、レームノス島の女たちは長年アプロディーテーに犠牲をささげなかったので、アプロディーテーは怒り、レームノス島の女たちの体から悪臭を臭わせた。そこで島の男たちは妻たちを避け、トラーキアから女たちをさらって来て、トラーキアの女たちばかりを愛した。このためレームノス島の女たちは怒って島の男たちを残らず皆殺しにした。しかしヒュプシピュレーだけは父トアースをかくまい、逃がしたといわれる。ロドスのアポローニオスによると、トアースは櫃に入れられ、海に流された。そしてオイノイエー島の漁師によって引き上げられ、島のニュムペーのオイノイエーとの間にシキノスをもうけた。ヒュギーヌスによるとトアースはタウリケーの王と同一視されており、ヒュプシピュレーによって船に乗せられて脱出したが、嵐によってタウリケーに流され、王となったという。 エウリーピデースの散逸した悲劇『ヒュプシピュレー』によると、トアースはディオニューソスの意志で助けられ、トラーキアでヒュプシピュレーとイアーソーンの子エウネーオスとトアースに出会い、ともにレームノス島に帰った。
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