イアーソーンの子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 18:45 UTC 版)
このペレースは、イアーソーンとメーデイアの子で、メルメロスと兄弟である。 コルキスからギリシアに帰ってきたイアーソーンはコリントスに住み、メーデイアとの間にペレースとメルメロスも生まれた。しかしコリントスの王クレオーンは娘のグラウケー(クレウーサとも)とイアーソーンを結婚させようとし、イアーソーンもこれを受け入れて、メーデイアと離婚した。このためメーデイアはグラウケーに毒の長衣(ペプロス)を贈ってクレオーンとともに焼き殺し、さらにペレースとメルメロスを殺した。あるいはメーデイアは逃げるときに子供たちをヘーラーの祭壇に残したので、コリントス人たちに殺されたともいわれる。 ヒュギーヌスによるとペレースとメルメロスはメーデイアに命じられて、魔法の冠を花嫁のクレウーサに持って行かせ、この冠によってクレウーサとクレオーン、イアーソーンは焼け死に、その後でペレースとメルメロスもメーデイアに殺されたと述べている。 パウサニアスによると、幼いペレースとメルメロスはメーデイアの言いつけで毒の贈物をグラウケーに持って行った。しかしその贈物が原因でグラウケーが死んだとき、2人はコリントスの人々に石打ちの刑で殺された。死後、ペレースとメルメロスは亡霊となって子供たちを殺したため、コリントスの人々は毎年2人に犠牲を捧げ、またコリントスの子供たちは自分の髪を切り、黒衣に身を包んだ。供儀は前146年のコリントスの戦いでローマ人が市を破壊するまで続いたという。なお、コリントスには2人の合葬墓があった。別の説ではメーデイアは子供を不死にするためにヘーラー神殿に隠したが、それを知ったイアーソーンはコリントスを去り、メーデイアもコリントスをシーシュポスに譲って去った。
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