チャシの構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 16:20 UTC 版)
チャシは基本的には高い場所に築かれ、壕や崖などで周囲と切り離された施設である。チャシへの登り口はチャシルと呼ばれる。チャシルは非常に傾斜がきついのが一般的で、梯子を使わなければ入れないようなチャシコツもある。1643年にオランダの商船カストリクム号が残した記録中のチャシは山の上に人間の身長の1.5倍ほどの柵を張り巡らしたもので、チャシルは急峻な小径となっており、柵の内部には2,3軒の住居が存在していた。 チャシの形状の分類法は幾つかあるが、最も広く用いられているのは1956年に河野広道が『網走市史』において用いた4分類である。 孤島式 平坦地あるいは湖の中に孤立した丘あるいは島を利用したもの。 丘頂式 山や尾根の頂の部分を利用したもの。 丘先式 突出した台地(たとえば丘や岬など)の先端を利用したもの。 面崖式 崖地の上に半円形の壕を築き、その内部をチャシとするもの。 以上の4分類の中では孤島式と丘頂式が新しく、次いで丘先式が現れ、面崖式が最も新しい形式ではないかと見られている。 チャシの築造に必要とされた労働力は、およそ100人から125人/日と考えられており、一般的なコタンであればチャシの築造には一ヶ月ほど要したのではないかと推測されている。
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