タカハトゲーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 15:44 UTC 版)
チキンゲームは、進化ゲーム理論の分野ではタカハトゲームとしても知られている。もっともシンプルなタカハトゲームでは、共有資源を分割する方法として2人のプレイヤーはそれぞれ2種類の戦略から1つを選択することができる。 ハトタカハト25,25 0,50 タカ50,0 -25,-25 まず二人のプレイヤーそれぞれが求めている資源(食料、配偶相手など)を同時に見つけたと仮定する。双方は攻撃的なタカとして振舞うか、温和なハトとして振舞うかを決定する。もし双方のプレイヤーがタカ戦略を選択した場合、資源を奪うために戦い傷つくために双方の点数はマイナスである。一方がタカ戦略を選択し、もう一方がハト戦略を選択した場合、タカ戦略が資源を独占するが、ハトは速やかに逃げ出すために何も失わない。双方のプレイヤーがハト戦略を選択した場合、しばらく威嚇しあった後に資源を対等に分け合うと仮定する。ここでの利得は適応度、すなわち生存と繁殖成功度によって計られる。 ここで議論を簡潔にするために、タカ・ハト戦略は遺伝的に決定されていると仮定する。もし集団全ての個体がハトであれば、資源は平和的に分配される。しかしそこにタカ戦略が入り込めば、タカは非常に高い適応度を得ることができ、集団中に広まる。タカばかりの集団にハトが進入すれば、ハトは資源をほとんど得られないかもしれないがタカのように傷つくことはなく、その集団で最大の適応度を持つのはハトである。いずれの集団でも少数派が有利となり(頻度依存選択)、頻度を増大させてゆく。上の利得表の設定では、両者の利得が均衡するのはタカ戦略が7/12、ハト戦略が5/12の場合である。集団が均衡状態に達したとき、この戦略のバランスを進化的に安定な戦略であるという。進化的に安定な戦略は個体の成功度を最大化するが、集団全体の総利得が最大化されるとは限らない。 このシンプルなモデルでは 相手の手を予測することができない 過去に戦った特定の対戦相手の、あるいは統計的な情報を記憶していない 争っている資源に対する要求が双方等しい(一方が満腹であったりしない) 資源量に対する双方が持つ情報が等しい などが仮定されているが、実際の生物の行動に応用されるときにはこれらの要素が加味される。
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