ソコニシン科とは? わかりやすく解説

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ソコニシン科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/06/19 13:23 UTC 版)

ソコニシン科
ソコニシン Bathyclupea argentea
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : 棘鰭上目 Acanthopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : スズキ亜目 Percoidei
: ソコニシン科 Bathyclupeidae
英名
Bathyclupeids
下位分類
本文参照

ソコニシン科学名Bathyclupeidae)は、スズキ目スズキ亜目に所属する魚類の分類群()の一つ。ソコニシンなど外洋で生活する深海魚を中心に、少なくとも1属7種が含まれる[1]。科名(模式属名)の由来は、ギリシア語の「bathys(深い)」とラテン語の「clupea(イワシニシン)」から[2]

分布・生態

ソコニシン科の魚類はすべて海水魚で、西部太平洋からインド洋にかけて、およびメキシコ湾周辺の外洋に分布する[1]海底から離れた深海の中層を漂泳して生活するものとみられ、水深300-800mの範囲からの報告が多い[2]。日本近海からはソコニシン1種のみが知られていたが[3]、2014年に新種として Bathyclupea nikparini が高知沖から報告されている[4]

採集されることが比較的稀なグループであり、本科魚類の生活史についてはほとんどわかっていない。

形態

左右に平たく側扁し、イワシニシン類と似た体型をもつ。一般的に小型の魚類で、体長は最大でも20cm程度である[2]

背鰭は1つで、体の後方寄りに位置する[1]。背鰭の棘条を欠き、軟条は8-10本[2]。臀鰭の基底は長く、1本の棘条と24-39本の軟条で構成される[2]。背鰭・臀鰭ともにで覆われ、本科の英語での別名「deep-sea scalyfin」の由来となっている[2]。胸鰭は26-30軟条で、鰭条はやや長い[2]。口は前上顎骨と主上顎骨によって縁取られる[1]椎骨は31個[1]

分類

ソコニシン科にはNelson(2016)の体系において、ソコニシン属のみ1属7種が認められている[1]。これに加えて、2014年には日本近海産の1種を含む2種が新種として記載されたほか[5]、新属として Neobathyclupea 属の設置が提唱された[6]

本科はかつてニシン類と近縁と考えられ、1940年代には独立の「ソコニシン目(Bathyclupeiformes)」としてニシン目に続く位置に置かれたこともあるが[7]、以後はスズキ目の一部としての位置付けが確立している。

  • ソコニシン属 Bathyclupea
    • ソコニシン[8] Bathyclupea argentea[9]
    • Bathyclupea elongata
    • Bathyclupea gracilis
    • Bathyclupea hoskynii
    • Bathyclupea malayana
    • Bathyclupea megaceps
    • Bathyclupea schroederi

出典・脚注

  1. ^ a b c d e f 『Fishes of the World Fifth Edition』 p.438
  2. ^ a b c d e f g Bathyclupeidae”. FishBase. 2016年6月19日閲覧。
  3. ^ 『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』 pp.986,2021
  4. ^ 日本産魚類の追加種リスト”. 日本魚類学会. 2016年6月19日閲覧。
  5. ^ Prokofiev AM (2014). “Deepsea herrings (Bathyclupeidae) of the northwestern Pacific ocean”. Journal of Ichthyology 54 (2): 137-145. 
  6. ^ Prokofiev AM (2014). “Taxonomy and distribution of deepsea Herring (Bathyclupeidae) in oceans”. Journal of Ichthyology 54 (8): 493-500. 
  7. ^ 『Fishes of the World』 p.242
  8. ^ 『日本の海水魚』 p.381
  9. ^ 2014年、日本近海産のソコニシンは B. japanotaiwana として新種記載され、B. argentea とは別種とされた(シノニム・学名の変更”. 日本魚類学会. 2016年6月19日閲覧。

参考文献

外部リンク





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