ゼータ関数の表示と関数等式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 22:40 UTC 版)
「リーマンゼータ関数」の記事における「ゼータ関数の表示と関数等式」の解説
ゼータ関数は次のような表示も持つ: ζ ( s ) = exp ( γ + log π 2 s − log 2 ) 1 s − 1 ∏ ρ ( 1 − s ρ ) ∏ n = 1 ∞ ( 1 + s 2 n ) e − s / 2 n {\displaystyle \zeta (s)=\exp \!\left({\frac {\gamma +\log \pi }{2}}\,s-\log 2\right){\frac {1}{s-1}}\,\prod _{\rho }\left(1-{\frac {s}{\rho }}\right)\,\prod _{n=1}^{\infty }\left(1+{\frac {s}{2n}}\right)e^{\!-{s/2n}}} ここで ρ に関する積はリーマン・ゼータ関数の複素零点全体をわたるものとする。この式から、 ζ ( s ) − 1 s − 1 {\displaystyle \zeta (s)-{\frac {1}{s-1}}} は整関数であることが分かる。実際 ζ ( s ) − 1 s − 1 = γ − γ 1 ( s − 1 ) + γ 2 ( s − 1 ) 2 − … {\displaystyle \zeta (s)-{\frac {1}{s-1}}=\gamma -\gamma _{1}(s-1)+\gamma _{2}(s-1)^{2}-\dots } ここで γ はオイラーの定数、γi はスティルチェス定数と呼ばれているものである。オイラーは1749年に ζ ( s ) ( 1 − 2 1 − s ) = ∑ n = 1 ∞ ( − 1 ) n + 1 n s {\displaystyle \zeta (s)(1-{2^{\,1-s}})=\sum _{n=1}^{\infty }{\frac {(-1)^{n+1}}{n^{s}}}} という式を推測している。 またゼータ関数は、リーマンの1859年の論文『与えられた数より小さい素数の個数について』の中で ζ ( s ) = 2 s π s − 1 sin ( π s 2 ) Γ ( 1 − s ) ζ ( 1 − s ) {\displaystyle \zeta (s)=2^{s}\,\pi ^{s-1}\,\sin \left({\frac {\pi s}{2}}\right)\,\Gamma (1-s)\,\zeta (1-s)} という関数等式を持つことが示された。ここで Γ はガンマ関数である。これは複素解析的関数の解析接続が初めて明示的に行われた例である。 s = −2n (n は正の整数)を代入すると ζ ( − 2 n ) = 2 − 2 n π − 2 n − 1 sin ( − n π ) Γ ( 1 + 2 n ) ζ ( 1 + 2 n ) {\displaystyle \zeta (-2n)=2^{-2n}\,\pi ^{\!-2n-1}\sin(-n\pi )\,\Gamma \!(1+2n)\zeta (1+2n)} sin (−nπ) = 0 であり他の因子は有限値なので ζ(−2n) = 0 である。したがって −2n はゼータ関数の零点である。 次のように修正されたゼータ関数(これは実質的にリーマンによって導入され、完備化されたゼータ関数と呼ばれる) ξ ( s ) = π − s / 2 Γ ( s 2 ) ζ ( s ) {\displaystyle \xi (s)=\pi ^{\!-s/2}\,\,\Gamma \!\left({\frac {s}{2}}\right)\,\zeta (s)} は s と 1 − s に関する以下のような対称的な関数等式を持つ: ξ ( s ) = ξ ( 1 − s ) {\displaystyle \xi (s)=\xi (1-s)} (リーマンのクシー関数も参照。)
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