ズィンミーと強制改宗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 04:00 UTC 版)
原理上、イスラーム法では「宗教に無理強いは禁物」というコーランの文言を根拠にズィンミーに対する強制改宗を明確に禁止している。現実の歴史からしても、キリスト教世界における非キリスト教徒への弾圧や、日本におけるキリシタンへの弾圧に伴う強制改宗と対比して、イスラム世界では少なくとも非ムスリムの存在自体は許容し、直接的な強制改宗は控えるなど宗教的マイノリティーへの直接的強制改宗をよく防いできた。 ただしワッハーブ派の一部を含む過激派・原理主義者は、この条文は多神教者や無神論者には当てはまらないとしている。 また現実の統治においては、例は少ないとはいえ、ズィンミーに対する強制改宗が行われる場合もあった。とりわけ12世紀以降のアルアンダルスにおけるユダヤ人とクリスチャンへの迫害は厳しいものだった。イスラーム法では棄教は基本的に死刑とされているため、強制改宗させられた側が元の宗教に復帰する場合はそれがコーランの条文に叛く明白な強制改宗であったことを立証することが必要であり、マイモニデスはこれを行った。 他にもアウラングゼーブ時代には『剣かコーランか』という要求がヒンドゥー教徒や仏教徒に対して突きつけられた。
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