スタインハウスのメガとは? わかりやすく解説

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多角形表記

(スタインハウスのメガ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/01 14:10 UTC 版)

多角形表記(たかくけいひょうき、polygon notation)とは、多角形を用いた巨大数の表記法である。ユゴー・スタインハウス英語版によって考案され、後にレオ・モーザー英語版によって拡張された。

スタインハウスの多角形表記

スタインハウスの多角形表記は、次のように定義される。

  • = nn = n↑n = n ↑2 2 = n → 2 → 2
  • = 「n 重の三角形の中の n
  • = 「n 重の四角形の中の n

この表記を用いて、スタインハウスは次の数を定義した。

  • メガ (mega) という。
  • メジストン (megiston) という。

モーザーの多角形表記

モーザーの多角形表記は、スタインハウスのものを拡張し、一般の多角形を用いるようにした。

  • はスタインハウスのものと同じ。
  • = 「n 重の四角形の中の n 」 (= )
  • 一般に「m 角形の中の n 」 = 「n 重の (m - 1) 角形の中の n

角形の中の2」 をモーザー数と言う。

ブラケットでの表記

ヨーク大学のSusan Stepney教授は、自らのサイトで次の代用表記を使っている。

  • p 角形の中の n = n[3] = nn
  • = n[4] = n[3]n
  • = = n[5] = n[4]n
  • 一般に n[m] = n[m−1]n(mが4以上の場合)

他の例としては:

  • = n[3]4

スタインハウスとモーザーが定義した巨大数は次のように表せる。

  • (メガ) = 2[5]
  • (メジストン) = 10[5]
  • モーザー数 = 2[2[5]] = 2[②]

この代用表記は、モーザー数のような、忠実な多角形の図による表記が事実上不可能なほど巨大な数も表記できるという利点がある。

計算

左から計算される。

簡単な例

  • 2[3] = 22 = 4
  • 2[4] = 2[3]2 = 4[3] = 44 = 256

スタインハウスのメガ

= 2[5]

= 2[4]2
= 2[4][4]
= 256[4]
= 256[3]256

したがって、+1はフェルマー数である。

256[3]nを順に見ていくと、

= 256[3]256 ≒ (256↑)256 257

である。

さらに大雑把な「近似」を認めれば、

≒ 256↑↑257

と表せる。ただし実際は、

≫ (256↑)256 257 ≫ 256↑↑257

である。

具体的な値は

≒ (10↑)255(1.99×10619) ≒ (1000000↑)255(3.3206232×1000000103)

に近く、したがって

10↑↑257 < < 10↑↑258

の範囲にあって、

1000000↑↑256 < < 1000000↑↑257

の範囲にある。

スタインハウスのメジストン

= 10[5] = 10[4]10

スタインハウスのメガの時と似た「近似」によって、およそ

≒ 10↑↑↑11

である。ただし、実際はメガと同様に、

≫ (10↑↑)10 11 ≫ 10↑↑↑11

である。

モーザー数

モーザー数は 2[] = 2[2[5]] である。したがって、2[2[5]]+1はフェルマー数である。先に示したように は相当な巨大数であるので、 角形はほとんども同然であり、忠実な多角形の図による表記は事実上不可能である。

モーザー数が よりはるかに大きいことは自明で、また よりもはるかに大きい。

しかし、グラハム数よりは圧倒的に小さいことが Tim Chow によって1998年に証明された[1]。この証明によれば、モーザー数 Mチェーン表記矢印表記、そしてハイパー演算子を用いて

カテゴリ

スタインハウスのメガ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/17 16:42 UTC 版)

多角形表記」の記事における「スタインハウスのメガ」の解説

= 2[5] = 2[4]2 = 2[4][4] = 256[4] = 256[3]256たがって+1フェルマー数である。 256[3]nを順に見ていくと、 256 [ 3 ] = 256 256 ≈ 32317.006 × 1 , 000 , 000 1021 , 000 , 000 102.75157185330558129962287607 {\displaystyle 256[3]=256^{256}\approx 32317.006\times {1,000,000}^{102}\approx {1,000,000}^{102.75157185330558129962287607}} 256 [ 3 ] 2 = 256 [ 3 ] [ 3 ] = ( 256 256 ) 256 256 = 256 256 × 256 256 = 256 256 257 = ( 256 ↑ ) 2 257 ≈ ( 1 , 000 , 000 ↑ ) 2 103.08686993234988541821889367 {\displaystyle 256[3]_{2}=256[3][3]=\left(256^{256}\right)^{256^{256}}=256^{256\times 256^{256}}=256^{256^{257}}=\left(256\uparrow \right)^{2}257\approx \left(1,000,000\uparrow \right)^{2}103.08686993234988541821889367} ここで、↑はクヌースの矢印表記である。 256 [ 3 ] 3 = 256 [ 3 ] 2 [ 3 ] = ( 256 256 257 ) 256 256 257 = 256 256 257 × 256 256 257 = 256 256 257 + 256 257 = ( 256 ↑ ) 2 ( 257 + 256 257 ) = 4 [ 4 ] = 2 2 11 [ 3 ] 2 = 2 2 11 [ 3 ] [ 3 ] = ( 2 2 11 ) 2 2 11 [ 3 ] = 2 2 112 2 11 [ 3 ] = 2 2 11 + 2 11 [ 3 ] = 2 2 2059 [ 3 ] ≈ ( 1 , 000 , 000 3.320623171 × 1 , 000 , 000 103 ) ( 1 , 000 , 000 ↑ ) 2 103.0868699 ≈ 1 , 000 , 000 3.320623171 × 1 , 000 , 000 103 × ( 1 , 000 , 000 ↑ ) 2 103.0868699 ≈ 1 , 000 , 000 3.320623171 × 1 , 000 , 000 103 + 1 , 000 , 000 ↑ 103.0868699 ≈ 1 , 000 , 000 3.320623171 × 1 , 000 , 000 103 + 3.320623171 × 1 , 000 , 000 103 ≈ ( 10 ↑ ) 3 619.2993708444822 {\displaystyle {\begin{aligned}256[3]_{3}&=256[3]_{2}[3]=\left(256^{256^{257}}\right)^{256^{256^{257}}}=256^{256^{257}\times 256^{256^{257}}}=256^{256^{257+256^{257}}}=\left(256\uparrow \right)^{2}\left(257+256^{257}\right)\\&=4[4]\\&=2^{2^{11}}[3]_{2}=2^{2^{11}}[3][3]=\left(2^{2^{11}}\right)^{2^{2^{11}}}[3]=2^{2^{11}\cdot 2^{2^{11}}}[3]=2^{2^{11+2^{11}}}[3]=2^{2^{2059}}[3]\\&\approx \left(1,000,000^{3.320623171\times 1,000,000^{103}}\right)^{\left(1,000,000\uparrow \right)^{2}103.0868699}\approx 1,000,000^{3.320623171\times 1,000,000^{103}\times \left(1,000,000\uparrow \right)^{2}103.0868699}\approx 1,000,000^{3.320623171\times 1,000,000^{103+1,000,000\uparrow 103.0868699}}\approx 1,000,000^{3.320623171\times 1,000,000^{103+3.320623171\times 1,000,000^{103}}}\\&\approx \left(10\uparrow \right)^{3}619.2993708444822\end{aligned}}} となる。ここで、きわめて大雑把な近似256 [ 3 ] 3 = 256 256 257 + 256 257256 256 256 257 = ( 256 ↑ ) 3 257 {\displaystyle 256[3]_{3}=256^{256^{257+256^{257}}}\fallingdotseq 256^{256^{256^{257}}}=\left(256\uparrow \right)^{3}257} を導入する。しかし近似といって実際256 256 257 + 256 257 = ( 256 256 256 257 ) 256 257256 256 256 257 {\displaystyle 256^{256^{257+256^{257}}}=\left(256^{256^{256^{257}}}\right)^{256^{257}}\gg 256^{256^{256^{257}}}} であり、通常の感覚はまったくかけ離れていることに注意このような現象を「指数タワーパラドックス」と呼ぶ。 同様に256 [ 3 ] 4 ≒ 256 256 256 256 257 = ( 256 ↑ ) 4 257 {\displaystyle 256[3]_{4}\fallingdotseq 256^{256^{256^{256^{257}}}}=(256\uparrow )^{4}257} 256 [ 3 ] 5 ≒ 256 256 256 256 256 257 = ( 256 ↑ ) 5 257 {\displaystyle 256[3]_{5}\fallingdotseq 256^{256^{256^{256^{256^{257}}}}}=(256\uparrow )^{5}257} と「近似」できる。したがって、 = 256[3]256 ≒ (256↑)256 257 である。 さらに大雑把な近似」を認めれば、 ≒ 256↑↑257表せる。ただし実際は、 ≫ (256↑)256 257256↑↑257 である。 具体的な値は ≒(10↑)255(1.99×10619)≒(1000000↑)255(3.3206232×1000000103) に近く、したがって 10↑↑257 < < 10↑↑258範囲にあって1000000↑↑256 < < 1000000↑↑257範囲にある。

※この「スタインハウスのメガ」の解説は、「多角形表記」の解説の一部です。
「スタインハウスのメガ」を含む「多角形表記」の記事については、「多角形表記」の概要を参照ください。

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